

©A.S.O
昨日の勝者ロメイン・バルデ(チームDSM)がそうであったように、グランツールの総合優勝候補として何度も挑戦してきたラファル・マイカ(UAEチームエミレーツ)、6度のトップ10フィニッシュがありながら、表彰台中央は遠かった。31歳の中堅となり、アシストとしてグランツールを走っている今大会、4年ぶりの勝利をグランツールの山岳ステージでの独走という派手な勝ち方で祝った。

©A.S.O
そして総合争いはオッド・クリスチャン・エイキング(インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオー)がここでも粘りの走りで脱落することなく走り切り守り切った。プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ)以下、総合上位候補たちも大きな波乱なくまとまってこのステージを終えた。
197.5㎞のこの第15ステージでは、すでに今大会勝利を挙げているバルデ、マイケル・ストーラー(チームDSM)、マグナス・コート・ニールセン(EFエデュケーションNIPPO)らを含む25名の選手たちが30㎞を超えようやく逃げを成立させる。しかしUAEチームエミレーツがこれを追走、残り130㎞で早くも30秒差までタイムを縮めてアルト・デ・ラ・センテネラに突入していく。そして早くもマイカがアタック、それにファビオ・アルー(キュベカ・ネクストハッシュ)、スティーブン・クライズワイク(ユンボ・ヴィズマ)、らが合流する。
しかしこの動きに総合上位勢がいなかったことで、マイヨロホを擁するインターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオーはペースダウン、これによりこの日の逃げ切りが濃厚となった。さらに残り87㎞では早くもマイカが独走態勢を築き、淡々と山岳をこなしていく。クライズワイクがそれを追走し、タイムを縮めていくが、マイカの背中は遠かった。

©A.S.O
独走で勝利をしたマイカ、これがなんと4年ぶりの勝利となった。「頭の中には一つしかなかったよ。今シーズンは滑り出しが悪く、さらには父が亡くなったんで、どうしても今日は勝ちたかったんだよ。ようやく父や、子供たち、そしてチームに貢献できたよ。今日はもう勝利だけを狙っていたから、他がどう動くとかは気にもしていなかったよ。」マイカは瀬賀秀も欲しかった勝利を自らの力で手に入れた。
総合上位勢でもわずかに動きはあったものの、結局集団でのゴール、波乱なく休息日明けの山岳バトルを迎えることとなった。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第15ステージダイジェスト
ブエルタ・ア・エスパーニャ第15ステージ順位
1位 ラファル・マイカ(UAEチームエミレーツ) 4h51’36”
2位 スティーブン・クライズワイク(ユンボ・ヴィズマ) +1’27”
3位 クリス・ハミルトン(チームDSM) +2’19”
4位 アダム・イェーツ(イネオス・グレナディアス) +2’42”
5位 ギウリオ・チッコーネ(トレック・セガフレド) +2’57”
6位 オッド・クリスチャン・エイキング(インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオー)
7位 フェリックス・グロスチャートナー(ボーラ・ハンスグロエ) +
8位 セップ・クス(スティーブン・クライズワイク)
9位 ダビ・デ・ラ・クルス(UAEチームエミレーツン)
10位 エンリック・マス(ドゥクーニンク・クイックステップ)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 オッド・クリスチャン・エイキング(インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオー) 59h57’50”
2位 ギヨーム・マルタン(コフィディス) +54”
3位 プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ) +1’36”
4位 エンリック・マス(モビスター) +2’11”
5位 ミゲル・アンヘル・ロペス(モビスター) +3’04”
6位 ジャック・ヘイグ(バーレーン・ヴィクトリアス) +3’35”
7位 イーガン・ベルナル(イネオス・グレナディアス) +4’21”
8位 アダム・イェーツ(イネオス・グレナディアス) +4’34”
9位 セップ・クス(ユンボ・ヴィズマ) +4’59”
10位 フェリックス・グロスチャートナー(ボーラ・ハンスグロエ) +5’31”
H.Moulinette