ブエルタ・ア・エスパーニャ2021第2ステージ:フィリップセンがヤコブセンを抑えてスプリント勝利!これでチームは今シーズン全てのグランツールでスプリント勝利!(ダイジェスト動画あり)

年間を通して、全てのグランツールで勝利を挙げるというのは簡単なことではない。ジロ・デ・イタリア、ツール・フド・フランスの両方のグランツールでスプリント勝利を挙げてきたアルペシン・フェニックスにとって、このブエルタ・ア・エスパーニャでの勝利は是が非でも欲しい勝利だった。ワールドツアーではないプロチームにとっては、まず出場枠を獲得しなければならないこともあり、そのハードルはより一層高い。しかし最初のスプリントステージで、ヤスパー・フィリップセン(アルペシン・フェニックス)があっさりとそれを達成して見せた。

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荒れた展開となったゴールスプリント、各チームのトレインが崩壊し、多くのスプリンターが己の力で勝負しなければならない中、ライバルを発射台にしたのはファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ)とフィリップセン、先行していた二人を追い抜き、コース左右から駆け上がり一騎打ちとなったが、コース脇の狭いバリアの隙間につっこんでいったフィリップセンがステージを制した。スプリントで顔面複雑骨折から、多くの手術を乗り越え復帰してきているヤコブセンも上り調子のステージ2位に入った。

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暑いスペインの夏が選手たちを苦しめ続けるブエルタ・ア・エスパーニャ、ワイルドカードで出場の3チームが選手を送り出してステージが動き出す。カハルーラル・セグロスRGA、ブルゴスBH、エウスカルテル・エウスカディの地元スペインの3チームにとっては母国最大のレースでしっかりと印象を残しておきたいところだ。
この日は各チームがスプリント勝負を意識、アルノー・デマール擁するグルーパマFDJとヤコブセンのドゥクーニンク・クイックステップが積極的にレースをコントロールし続ける。その為タイム差はあまり広がることなく、3分弱までにしか広がらない。

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そのままゴールが近づいていくと、逃げは吸収され、今度はアスタナ・プレミアテックが動き出す。アレックス・アランブル(アスタナ・プレミアテック)が総合2位でプリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ))を逆転してのマイヨ・ロホを獲得の可能性があり、積極的な攻めの姿勢を見せる。
ここまで波乱がなかったレースだが、ゴールまで3㎞今日を残して落車が発生する。ログリッチはかろうじて難を逃れたが、アダム・イェーツ(イネオス・グレナディアス)やヒュー・カーシー(EFエデュケーションNIPPO)は落車こそなかったものの、足止めを食らう形となり、それぞれ30秒以上にタイムを失うこととなった。
ぐっと減った集団をコントロールするのはドゥクーニンク・クイックステップとアルペシン・フェニックス、しかしどちらのチームも決定的なトレインを組むことができなかった。それでも両チームのエースは巧みにライバル達を発射台に使いゴール勝負へと持ち込んだ。先行したマイケル・マシューズ(チームバイクエクスチェンジ)とセバスチャン・モラーノ(UAEチームエミレーツ)がスプリントを開始するが、その背後を取ったヤコブセンとフィリップセンが一気に加速でそれを追い抜きフィリップセンがステージを制した。アランブルはステージ5位に終わり、ログリッチとのタイム差は縮まったものの逆転とはならなかった。

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「今日は最後は荒れた展開になったけど、そこまでチームメイトたちがしっかりと仕事をしてくれたおかげだよ。こうした展開でも勝てるのが我々の強みだね。とにかく勝利がチームのモチベーションであり目的だったんだ。最初のスプリントステージでそれを達成できたから大満足だよ。これでプレッシャーなく次の勝利を狙えるよ。でもスプリントだけでなく、それ以外のステージでも勝利を狙っていくよ。」フィリップセンはチームがいい雰囲気であることを口にした。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第2ステージダイジェスト
ブエルタ・ア・エスパーニャ第2ステージ順位
1位 ヤスパー・フィリップセン(アルペシン・フェニックス) 3h58’57”
2位 ファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ)
3位 マイケル・マシューズ(チームバイクエクスチェンジ)
4位 ホァン・セバスチャン・モラーノ(UAEチームエミレーツ)
5位 アレックス・アランブル(アスタナ・プレミアテック)
6位 ヨン・アベラツリ・イザガ(カハルーラル・セグロスRGA)
7位 マルティン・ラース(ボーラ・ハンスグロエ)
8位 リカルド・ミナーリ(インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオー)
9位 フロリアン・フェルメーシュ(ロット・ソウダル)
10位 ピエ・アレガート(コフィディス)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ) 4h07’29”
2位 アレックス・アランブル(アスタナ・プレミアテック) +04”
3位 マイケル・マシューズ(チームバイクエクスチェンジ) +10”
4位 ヨセフ・チェルニー(ドゥクーニンク・クイックステップ)
5位 ディラン・ファン・バーレ(イネオス・グレナディアス) +11”
6位 アンドレア・バジョーリ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +12”
7位 アレクサンダー・ブラソフ(アスタナ・プレミアテック) +14”
8位 ヤン・ポランク(UAEチームエミレーツ) +15”
9位 セップ・クス(ユンボ・ヴィズマ)
10位 チャド・ハガ(チームDSM) +17”
H.Moulinette