ツール・ド・フランス2021第20ステージ:個人TTを制したのはファン・アールト、今大会スプリントに山岳に個人TTと大暴れでステージ2勝!ポガチャルが実質大会連覇確定!(ダイジェスト動画あり)


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最終日のシャンゼリゼ通りでのパレードステージを前に、個人TTが行われ、最後の順位変動を狙って各選手がしのぎを削った。今大会でチームとしてすでに5勝を挙げているドゥクーニンク・クイックステップは、キャスパー・アスグリーンが快走を見せ長らく暫定リーダーが座るホットシートを温め続けた。しかしそれを上回るタイムをたたき出したのは、元シクロクロス世界王者でもあり、今大会でもスプリントから山岳まで活躍を見せたワウト・ファン・アールト(ユンボ・ヴィズマ)だった。個人TTでもそのオールラウンドぶりを発揮、これで今大会ステージ2勝目を挙げるとともに、将来的に総合を狙うのではないかという憶測が確信に変わっていく勢いの活躍を見せた。

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総合トップ10の選手たちも順位の入れ替えを狙い攻めの走りを見せるが、得意不得意がはっきりする個人TTを絶対的に得意とする選手があまりおらず、結果ステージ前とトップ10の順位に入れ替えは発生しなかった。これにより今大会のトップ10がほぼ確定したと言えるだろう。
30.8㎞の個人TT 総合リーダーのタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)は冷静に走り切った。ステージ8位でゴールし、総合優勝を確定的とした。明日完走すればツール・ド・フランス2連覇、新人賞ジャージも獲得している男は、若くしてすでに過去の伝説の選手たちと仲間入りを果たした。
このステージでも素晴らしい走りを見せたのは、総合2位のヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ)、軽快な走りでステージ3位を獲得、今大会の緊急急造エースが誰もの予想を大きく裏切り、総合優勝争いを繰り広げられる選手へと飛躍の大会となった。間違いなく今後は、プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ)のアシストとしてではなくエースとして起用されていきそうだ。

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「やっぱり選手として一つの大きな目標がツールのステージ優勝だったんだよ。ここ数日今日のことを考えていたし、結果を残せて本当にうれしいよ。今大会最初のTTよりも勢いがあったし、僕自身が大柄なこともプラスに働いたね。暫定トップになって最初は良かったんだけど、あとはもうずっとハラハラドキドキで心臓に悪かったよ。総合上位が中間スプリントポイントを通過するたびに願ってたよ。チームとしては今大会失った選手が多すぎたよ。それでもステージ3勝とヴィンゲガードが総合2位と4人で結果を残せたよ。」ファン・アールトは今大会を振り返った。
ツール・ド・フランス第20ステージダイジェスト
ツール・ド・フランス第20ステージ順位
1位 ワウト・ファン・アールト(ユンボ・ヴィズマ) 35’53”
2位 キャスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ) +21”
3位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) +32”
4位 ステファン・キュング(グルーパマFDJ) +38”
5位 ステファン・ビセガー(EFエデュケーションNIPPO) +44”
6位 マティア・カッタネオ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +49”
7位 ミケル・ビョルグ(UAEチームエミレーツ) +52”
8位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) +57”
9位 マグナス・コート(EFエデュケーションNIPPO) +1’00”
10位 ディラン・ファン・バーレ(イネオス・グレナディアス) +1’21”
ツール・ド・フランス総合順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) 80h16’59”
2位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) +5’20”
3位 リチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス) +7’03”
4位 ベン・オ・コナー(AG2Rシトロエン) +10’02”
5位 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグロエ) +10’13”
6位 エンリック・マス(モビスター) +11’43”
7位 アレクセイ・ルチェンコ(アスタナ・プレミアテック) +12’23”
8位 ギヨーム・マルタン(コフィディス) +15’33”
9位 ペッロ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス) +16’04”
10位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションNIPPO) +18’34”
H.Moulinette