クリス・フルームは復活できるのか?ツール・ド・フランス出場メンバー入りも、チームはマイケル・ウッズをエースに指名、それでも視野には来シーズン以降での5度目のツール・ド・フランス制覇
2019年のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第4ステージの個人TTの試走中に落車、大腿骨、肘、肋骨 を骨折したことから完全復帰ができていないクリス・フルーム(イスラエル・スタートアップネーション)だが、果たして今シーズン中の完全復活となるのだろうか?
2021年度は心機一転イスラエル・スタートアップネーションに移籍した4度のツール・ド・フランス覇者だが、36歳となった今シーズン、いろいろな思いの中でシーズンを送っている。ツール・ド・フランスの前哨戦のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネでは、全盛期の面影すら感じられない走りで、未だに復活は程遠いことを感じさせた。またチームも、契約の中に出場を約束するものはない、としており、果たして今年のツール・ド・フランスへの出場となるのかに注目が集まっていた。
そして発表されたそのメンバーの中に、その名前があった。しかし役割はエースではなく、あくまでもエースのマイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネーション)のアシストとしての立ち位置だった。
「ツール・ド・フランスに今勝てるということはないよ。今はまだ以前のレベルに戻すためのステップの途中だよ。去年の今頃はようやく普通に歩けるというところだったから、それに比べれば今はよくなってきているよ。皆は”フルームはもう終わった”とか言うけど、笑わせてくれるね。僕自身の中ではきちんとした目安があって、それを順を追って進めているんだよ。」フルームは現状を語った。
今シーズンはここまで、UAEツアーでは総合47位、ヴォルタ・ア・カタルーニャでは総合81位、ツアー・オブ・ザ・アルプスでは総合93位、ツール・ド・ロマンディでは総合96位、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネでは総合47位とまだまだ本調子とはほど遠いところにいる。
「僕の目標は、史上最多タイの5度目のツール・ド・フランス制覇なんだよ。」そう語るフルームは、今年のツールではウッズの最強アシストとなれるだろうか?
復活はまだ遠くとも、一時代を築いた王者の眼は、まだまだその死んでいない。
H.Moulinette