ツール・ド・スイス2021第7&8ステージ:総合優勝はまたしてもイネオス!カラパズが最後まで死守!第7山岳TTを制したのはウラン!最終ステージを制したのはメーダー(ダイジェスト動画あり)
ここまでステージレース最高峰のジロ・デ・イタリア、クリテリム・ドゥ・ドーフィネで組織力を遺憾なく発揮し総合優勝を奪ってきたイネオス・グレナディアスが、ツール・ド・スイスでもその力を発揮、グランツール、そしてツール・ド・フランス前哨戦のステージレース2つを連続で制覇して見せた。今回優勝したのは2019年度ジロ・デ・イタリア覇者のリチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス)、第5ステージで総合リーダーに躍り出ると、最後までそれを死守し続けた。総合2位には第7ステージの山岳個人TTを制したリゴベルト・ウラン(EFエデュケーションNIPPO)が入り、3位にはヤコブ・フグルサング(アスタナ・プレミアテック)が入った。
第7ステージダイジェスト
最近はあまり行われことが少なくなった本格的な山岳個人TT、個人総合が大きく動く可能性を秘めていたこのステージで輝いたのは、ピンクの目立つジャージのリゴベルト・ウラン(EFエデュケーションNIPPO)だった。34歳のベテランは、世界チャンピオンのジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)に40秒の大差をつけて勝利した。ステージ3位にはジーノ・メーダー(バーレーン・ビクトリアス)が54秒差で入った。ここ3年程勝利から遠ざかっていたウランが久し振りに元気な姿を見せ、ツール・ド・フランスへ向け準備が整っていることを感じさせた。総合リーダーのリチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス)はステージ4位も大きくタイムを失うも、17秒の貯金を残すことに成功した。またメンタルの問題を口にしてきたトム・デュムラン(ユンボ・ヴィズマ)がステージ5位と久しぶりい元気な姿を見せた。
「いろいろとあって、あまりレースをしていなかったから、この勝利か格別だね。ツール・ド・フランスが楽しみだよ。ここまで山岳でも結構脚があったので、今日は思い切り走ってみたんだよ。まさか勝てるとは思ってなかったけどね。とにかくこの勝利はチームにとっても特別なものだよ。」ウランは久し振りの好調を満喫している。
またこのステージ終了後、総合3位のアラフィリップは、第一子出産予定が近いためにレースをリタイアした。
ツール・ド・スイス第7ステージ
1位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションNIPPO) 36’02”
2位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +40”
3位 ジーノ・メーダー(バーレーン・ビクトリアス) +54”
4位 リチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス)
5位 トム・デュムラン(ユンボ・ヴィズマ) +56”
ツール・ド・スイス総合順位
1位 リチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス) 20h37’27”
2位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションNIPPO) +17”
3位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +39”
4位 マックス・シャッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +1’07”
5位 ヤコブ・フグルサング(アスタナ・プレミアテック) +1’15”
第8ステージダイジェスト
最終ステージは当然勝負を決するための山岳ステージ、最後の直接対決となる。そんなステージを制したのはジーノ・メーダー(バーレーン・ビクトリアス)、昨日の山岳TTでも3位に入った地元スイス期待の24歳が、ここでも躍動した。先頭のメイン集団から抜け出すと、二人でのゴールスプリント勝負でマイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネーション)を下し、今年のジロ・デ・イタリア第6ステージに続く嬉しい勝利となった。
「ここへは総合を狙いに来たんだけどね。第3ステージで躓いてしまったよ。でも第7、第8ステージで結果が残せたことは嬉しいし、ジロとは違う勝ち方ができて、ようやく一人前になった気がするよ。」メーダーはこれから要注目となりそうだ。
リチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス)はリゴベルト・ウラン(EFエデュケーションNIPPOの攻撃をしのぎ切り、総合優勝を決めた。
「とにかく勝利はうれしいね。全てがうまく言ったよ。やることがきちっとはまっていくと、結果が伴うし、次への自信と確信につながるね。今回も組織力を発揮できたし、ツール・ド・フランスではゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアスと僕の2枚看板で挑む予定だよ。」カラパズはチーム力をアピールした。
ツール・ド・スイス第8ステージ
1位 ジーノ・メーダー(バーレーン・ビクトリアス) 4h06’25”
2位 マイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネーション)
3位 マッティア・カッタネオ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +09”
4位 エディー・ダンバー(イネオス・グレナディアス)
5位 リチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス)
ツール・ド・スイス総合順位
1位 リチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス) 24h44’01”
2位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションNIPPO) +17”
3位 ヤコブ・フグルサング(アスタナ・プレミアテック) +1’15”
4位 マックス・シャッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +1’19”
5位 マイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネーション) +2’55”
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(チームキュベカ・アソス) +3’16”
7位 ルイ・コスタ(UAEチームエミレーツ) +3’43”
8位 サム・オーメン(ユンボ・ヴィズマ) +4’16”
9位 マッティア・カッタネオ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +4’39”
10位 エステバン・チャベス(チームバイクエクスチェンジ) +5’33”
H.Moulinette