ツール・ド・スイス2021第5&6ステージ:イネオスここでも躍進、カラパズが第5ステージ制し総合リーダーに、クロンが繰り上げで第6ステージを制す(ダイジェスト動画あり)

スイス決戦もいよいよ終盤戦、総合優勝争いは激化した。まず第5ステージではジロ・デ・イタリアとクリテリウム・ドゥ・ドーフィネを制したイネオス・グレナディアスがここへきてもその勢いが全く止まらない。第5ステージの山岳でリチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス)が山頂を制し、そのまま総合リーダーに躍り出た。第6ステージではスプリントで進路妨害をしたルイ・コスタ(UAEチームエミレーツ)が降格処分となり、代わりにステージ2位のアンドレアス・クロン(ロット・ソウダル)が繰り上げでステージ勝者となった。残り2ステージ、勝者をめぐるバトルは一気に加速する。
第5ステージダイジェスト

©Tour de Suisse
残り18㎞で仕掛けたヤコブ・フグルサング(アスタナ・プレミアテック)は独走勝利を狙ったが、残り3㎞で追走集団から飛び出してきたリチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス)に40秒のタイム差を一気に詰められて追いつかれてしまう。こうなれば勢いはカラパズのもの、残り200mからの上りスプリント勝負でフグルサングが仕掛けるが、残り25mでカラパズが狙いすましたかのように加速、そのままステージ勝利を奪い去った。これでカラパズは一気に総合リーダーに躍り出た。総合2位にはフグルサング、そして総合3位にはマックス・シャッフマン(ボーラ・ハンスグロエ)となっている。本来なら総合3位となるはずだった世界チャンピオンのジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)だが、ハンガーノックを避けるために、違反区間で補給を受けたとして20秒のペナルティーを受け、総合4位となっている。

©Tour de Suisse
「僕らの総合狙いに注目している人たちも多いだろうけど、その通りで僕らは総合優勝を狙っている。今日の展開は完璧で、予定通りの結果となったよ。もちろんツアーのための準備にここへきているが、勝利できるチャンスは全てものにするのが僕らの流儀だよ。もちろん最大の目標はツール・ド・フランスの総合優勝だよ。」カラパズはチーム力を口にした。
ツール・ド・スイス第5ステージ
1位 リチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス) 4h01’52”
2位 ヤコブ・フグルサング(アスタナ・プレミアテック)
3位 マイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネーション) +39”
4位 ルーカス・ハミルトン(チームバイクエクスチェンジ)
5位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションNIPPO)
ツール・ド・スイス総合順位
1位 リチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス) 16h42’50”
2位 ヤコブ・フグルサング(アスタナ・プレミアテック) +26”
3位 マックス・シャッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +38”
4位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +53”
5位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションNIPPO) +1’11”
第6ステージダイジェスト

©Tour de Suisse
逃げ集団からさらに飛び出した3人でのスプリント勝負となったこのステージ、先に仕掛けたのはヘルマン・ペルシュタイナー(バーレーン・ビクトリアス)だった。しかしペルシュタイナーは失速、ルイ・コスタ(UAEチームエミレーツ)とアンドレアス・クロン(ロット・ソウダル)の一騎打ちとなる。残り100m、コスタはコース右側から左へと大きく斜行していく。ゴールまでスプリントを続けたものの、クロンはゴールラインを2位で通過した後に手を挙げ抗議の姿勢を見せる。これによりレース主催者は審議に入り、コスタの斜行を認め降格処分を決定、クロンを勝者と認定した。コスタは先着したものの2位扱いとなった。しかしこの日の逃げでタイムを稼いだコスタは、総合ではトップ10入りを果たした。
「賛否両論あるだろうけどゴールスプリントをコース右端で始めて、ゴールをコース左端で果た下ということだよ(コスタが)。主催者が正しい判断をしてくれたと思うし、この勝利はどんな形であろうと嬉しいよ」クロンは純粋に勝利を喜んだ。総合ではリチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス)が総合リーダーの座をがっちりとキープ、総合トップ5に動きはなかった。
ツール・ド・スイス第6ステージ
1位 アンドレアス・クロン(ロット・ソウダル) 3h14’52”
2位 ルイ・コスタ(UAEチームエミレーツ)
3位 ヘルマン・ペルシュタイナー(ボーラ・ハンスグロエ) +01”
4位 ゴンザロ・ロドリゲス(モビスター) +03”
5位 ピエール・ラトゥール(トータル・ダイレクト・エナジー)
ツール・ド・スイス総合順位
1位 リチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス) 20h00’31”
2位 ヤコブ・フグルサング(アスタナ・プレミアテック) +26”
3位 マックス・シャッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +38”
4位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +53”
5位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションNIPPO) +1’11”
6位 マイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネーション) +1’32”
7位 サム・オーメン(ユンボ・ヴィズマ) +2’19”
8位 エステバン・チャベス(チームバイクエクスチェンジ) +2’22”
9位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(チームキュベカ・アソス) +3’10”
10位 ルイ・コスタ(UAEチームエミレーツ) +3’37”
H.Moulinette