クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2021第8ステージ:絶好調パドゥンが驚きの山岳2ステージ連続の独走勝利!ポートは総合首位守り切り総合優勝!(ダイジェスト動画あり)
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ最終ステージ、前日ワールドツアー初勝利を挙げ喜びを爆発させた男は、気を緩めることなく更なる攻めの姿勢を貫いた。本来ビッグレース初勝利当日チームで祝杯を挙げ、その翌日はあまりステージ優勝に絡むことはない。しかしマーク・パドゥン(バーレーン・ビクトリアス)は気持ちを切り替えてこのステージに挑んだ。そしてチームカーからの無線で新たな目標を得たことでモチベーションはさらに高まり、逆転で山岳賞ジャージを獲得、一時はレースを諦めようとさえ思った24歳が、ここへきて一気にその才能を開花させた。そして総合は36歳のリッチー・ポート(イネオス・グレナディアス)が昨日奪った総合リーダージャージを守り切り、総合優勝を果たした。
大逆転での山岳賞ジャージの可能性、その可能性を計算上可能と確認したパドゥンは、この日最初の逃げに乗った。スタート直後に発生したその逃げは、メイン集団から容認され、大きくタイム差をつけて展開する。そして序盤の山岳からポイントを荒稼ぎし、ステージ中盤で暫定的に山岳賞争いトップに躍り出る。
それでもパドゥンは攻撃の手を緩めなかった。残り30㎞、頂上ゴール一つ手前の山岳で仕掛けると、そのまま独走態勢へと持ち込む。こうなれば昨日勝利した男はさらにモチベーション高く、気分良くペダルを回し続ける。後続に十二分なタイム差をつけて最後の頂上ゴール目指し、そのまま独走勝利、この日はスタートから逃げ続けての圧倒的な勝利でその存在感を世に大いに知らしめた。
「夢のようだよ!昨日の勝利だけでも信じられないのに!実は今朝は昨日の勝利で喜び疲れてぐったりしていたんだよ。でもそれを一度リセットして気持ちを切り替えたんだ。今日は逃げに乗ることが目的だったんだ。エースのジャック・ヘイグ(バーレーン・ビクトリアス)をアシストするためにだったんだけど、チームからの無線で”山岳賞ジャージを狙え!”って言われたんだ。そして最後の頂上ゴールの上り口で2分タイム差があったから、”もしかしたらいけるんじゃない?”って思ったんだよ。本当に最高だよ!」パドゥンは昨日同様にご機嫌でしゃべり続けた。
そして総合争いはゴールまで激しく繰り返されたが、残り6㎞で落車するも無事復帰した総合3位のゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアス)という最強アシストを従えたポートは余裕をもってそれらに対応し続け、最後はトーマスと並んでゴールした。これまでクリテリウム・ドゥ・ドーフィネでは過去2度総合2位になった男は、3度目の正直で勝者の証、マイヨ・ジョーヌを最後まで守り抜いた。
「この大会では過去2度も2位だったし、一度は最終日に残り1㎞で秒差で逆転されたからね。ようやく勝てて天にも昇る思いだよ。今までの犠牲がすべて実を結んだよ。とにかく最高の一日になったよ!」ポートの表情には安ど感が漂っていた。
今大会イネオス・グレナディアスが総合優勝と総合3位と表彰台の二つのスポットを確保、その間に立ったのはアレクセイ・ルチェンコ(アスタナ・プレミアテック)だった。そしてステージ優勝を挙げたバーレーン・ビクトリアスにとっては、山岳賞のみならず、ヘイグが総合5位、そしてソニー・コルブレッリ(バーレーン・ビクトリアス)がポイント賞を獲得するなど、予想以上の結果を残すことに成功した。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第8ステージ
1位 マーク・パドゥン(バーレーン・ビクトリアス) 4h06’49”
2位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) +1’36”
3位 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグロエ)
4位 ベン・オコナー(AG2Rシトロエン) +1’57”
5位 ダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ) +2’10”
6位 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアス)
7位 アレクセイ・ルチェンコ(アスタナ・プレミアテック)
8位 リッチー・ポート(イネオス・グレナディアス)
9位 ジャック・ヘイグ(バーレーン・ビクトリアス)
10位 ギヨーム・マルティン(コフィディス)
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ総合順位
1位 リッチー・ポート(イネオス・グレナディアス) 29h37’05”
2位 アレクセイ・ルチェンコ(アスタナ・プレミアテック) +17”
3位 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアス) +29”
4位 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグロエ) +33”
5位 ジャック・ヘイグ(バーレーン・ビクトリアス) +34”
6位 ミゲル・アンヘル・ロペス(モビスター) +38”
7位 ヨン・イザギーレ(アスタナ・プレミアテック)
8位 ベン・オコナー(AG2Rシトロエン) +47”
9位 ダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ) +1’12”
10位 タオ・ゲオゲイガン・ハート(イネオス・グレナディアス) +1’57”
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第8ステージダイジェスト
H.Moulinette