ジロ・デ・イタリア2021第18ステージ:又も逃げ切り勝利発生!今度はベッティオールが快走し勝利!総合勢は動かず沈黙の1日(ダイジェスト動画あり)


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逃げに乗り、逃げがそのまま逃げ切るということは、通常グランツールにょうな大会では数少ないものだが、今大会に限って言えば逃げ切りが非常に多く決まっている。これは総合勢が拮抗していることも影響はしているが、それ以上にそれだけ多くの選手が積極的に勝利を欲しているということでもある。そしてこのステージでも逃げ切りが容認される形となり、積極性を見せ続けたアルベルト・ベッティオール(EFエデュケーションNIPPO)が独走逃げ切り勝利を飾った。総合勢はこの日は動かず、大会終盤の勝負へ向けて体力温存の1日となった。

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第18ステージは平たんであり、本来スプリンターたちが残っていればスプリンターステージになりそうなコース設定だが、今大会は多くのスプリンターがすでにリタイアしており、各チーム逃げ切りの公算が高いことを踏まえ、スタート直後から激しいアタックの応酬が始まる。最終的に、ベッティオール、レミ・カバーニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ)らを含む23名の逃げが決まる。メイン集団はこの後2日間続く山岳を前に、露骨な体力温存策に出たため、タイム差はあっという間に15分差まで広がっていく。

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逃げ集団は削り合いとなっていき、気が付けば6名にまで絞られる。そして残り26㎞で抜け出したのがカバーニャ、独走力を見せ単独勝利を目指し後続を引き離しにかかる。最大で30秒差まで広がったが、ニコラス・ロッシュ(チームDSM)とベッティオールがこれを追走、タイム差は10秒ほどにまで縮まり、ベッティオールが鋭い飛び出しでカバーニャを追い詰めていく。

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一旦は並走した二人だったが、この日最後の勾配でベッティオールが仕掛けると、勝負あり、カバーニャは一旦は対応したがその後急減速、後続のロッシュ来も最終的には捉えられてしまう。ベッティオールは余裕をもって勝利、総合でチームのエースヒュー・カーシー(EFエデュケーションNIPPO)が苦しむ中、チームに貴重な勝利をもたらした。スプリントとなった2位争いはシモーネ・コンソーニ(コフィディス)がロッシュに先着した。
「ジロは最も美しいグランツールだよ。だからそんなレースで勝利できたことは特別なことなんだ。チームは意識高くモチベーションもあり、逃げに乗るチャンスをもらったことでこの結果が残せたよ。」地元イタリアでの勝利にベッティオールは感無量だった。
総合は最後まで動かず、ベッティオールから20分以上遅れてのゴール、不気味なまでの嵐の前の静けさとなった。

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ジロ・デ・イタリア第18ステージ
1位 アルベルト・ベッティオール(EFエデュケーションNIPPO) 5h14’43”
2位 シモーネ・コンソーニ(コフィディス) +17”
3位 ニコラス・ロッシュ(チームDSM)
4位 ニキアス・アルノー(チームDSM)
5位 ディエゴ・ウリッシ(UAEチームエミレーツ)
6位 サミュエル・バティステラ(アスタナ・プレミアテック)
7位 フィリッポ・ザナ(バルディアーCSファイザネ)
8位 ナタナエル・テスファジオン(アンドローニ・ジョカットリ・シデルメック)
9位 レミ・カバーニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +24”
10位 ジャコポ・モスカ(トレック・セガフレド) +1’12”
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 イーガン・ベルナル(イネオス・グレナディアス) 77h10’18”
2位 ダミアーノ・カルーソ(バーレーン・ビクトリアス) +2’21”
3位 サイモン・イェーツ(チームバイク・エクスチェンジ) +3’23”
4位 アレクサンダー・ヴラソフ(アスタナ・プレミアテック) +6’03”
5位 ヒュー・カーシー(EFエデュケーションNIPPO) +6’09”
6位 ロメイン・バルデ(チームDSM) +6’31”
7位 ダニエル・マルチネス(イネオス・グレナディアス) +7’17”
8位 ジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +8’45”
9位 トビアス・フォス(ユンボ・ヴィズマ) +9’18”
10位 ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネーション) +13’37”
ジロ・デ・イタリア第18ステージダイジェスト
H.Moulinette