ジロ・デ・イタリア2021第13ステージ:通算11度の2位を乗り越え、爆走スプリントでニッツォーロがついに念願のジロ初勝利!総合は明日からのゾンコランに備え沈黙(ダイジェスト動画あり)


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何度となく跳ね返されてきたジロ・デ・イタリアステージ優勝の壁は、回数を数えれば11度の2位(表彰台は16回)という数が物語っている。現イタリアロードチャンピオンであり、現ヨーロッパロードチャンピオンのジャコモ・ニッツォーロ(キュベカ・アソス)がついにその呪縛を破る勝利を挙げた。念願のジロ・デ・イタリアステージ優勝はチームにとってこの3日で2勝目、ここへきてキュベカ・アソスがその存在感を際立たせている。総合は難関山岳ゾンコランを前に体力温存の一日となった。

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198㎞の長丁場は勝負どころの山岳前最後のスプリントステージ、多くの本格派スプリンターにとってはこのステージこそが最後のチャンスかもしれないだけにハードな展開が予想された。詩人のダンテの死後700年記念を祝したこのステージはスタート直後からアタックが発生する。逃げた距離を競う”逃げ賞”を競い合うサミュエル・リヴィ(エオロ・コメタサイクリング)とウムベルト・マレンゴ(バルディアーニCSFファイザネ)、サイモン・ペロー(アンドローニ・ジョカットリ)が積極的に飛び出していく。その差は7分半以上にまで広がるが、スプリンターチームがメイン集団のペースをコントロールする。

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残り7㎞で集団は一つとなり、スプリント勝負に向けた位置取り合戦が始まる。そして残り300mでコース右端をエドアルド・アフィニ(ユンボ・ヴィズマ)がロングスパートを仕掛ける。その逆サイドではフェルナンド・ガヴィリア(UAEチームエミレーツ)が加速、しかしその背後からニッツォーロが早めに飛び出しアフィニの背後につくと、そのまま一気にゴールラインへ向け突進する。そのままトップでゴール、ついに勝利の女神の心を掴んだ。アフィニは2位、ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)が3位が入った。

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「今日のゴールはステージ2位になることだったんだよ。(笑)きっとそれが勝利のおまじないだったのかもね。今日はスーパーハッピーだよ。今日の目的はスプリントだったし、いい脚があったんで行けると思ったんだ。この勝利ので僕の価値が変わるわけじゃないけど、でも戦歴にこの一勝が加わるのは気分がいいね!」ニッツォーロは冗談を交えながら喜びを爆発させた。
総合勢は翌日からの山岳バトルに備え動かず、静かな一日となった。「山岳バトルの前にゆっくりできるステージがあってよかったよ。明日は本当にきついステージとなるからね。出来る限りマリア・ローザを守り抜きたいよ。ハードなバトルになるには間違いないだろうからね。」ベルナルは準備万端なようだ。

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ジロ・デ・イタリア第13ステージ
1位 ジャコモ・ニッツォーロ(チームキュベカ・アソス) 4h42’19”
2位 エドアルド・アフィニ(ユンボ・ヴィズマ)
3位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)
4位 ダビデ・チモライ(イスラエル・スタートアップネーション)
5位 フェルナンド・ガヴィリア(UAEチームエミレーツ)
6位 ステファノ・オルダニ(ロット・ソウダル)
7位 アンドレア・パスカロン(インターマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリアル)
8位 マックス・カンター(チームDSM)
9位 エリア・ヴィヴィアーニ(コフィディス)
10位 ディラン・グローネウェーゲン(ユンボ・ヴィズマ)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 イーガン・ベルナル(イネオス・グレナディアス) 53h11’42”
2位 アレクサンダー・ヴラソフ(アスタナ・プレミアテック) +45”
3位 ダミアーノ・カルーソ(バーレーン・ビクトリアス) +1’12”
4位 ヒュー・カーシー(EFエデュケーションNIPPO) +1’17”
5位 サイモン・イェーツ(チームバイク・エクスチェンジ) +1’22”
6位 エマニュエル・バックマン(ボーラ・ハンスグロエ) +1’50”
7位 レムコ・エヴァネポエル(ドゥクーニンク・クイックステップ) +2’22”
8位 ギウリオ・チッコーネ(トレック・セガフレド) +2’24”
9位 トビアス・フォス(ユンボ・ヴィズマ) +2’49”
10位 ダニエル・マルチネス(イネオス・グレナディアス) +3’15”
ジロ・デ・イタリア第13ステージダイジェスト
H.Moulinette