ジロ・デ・イタリア2021第10ステージ:お待たせしました!怪童サガンがお目覚めの勝利!ここまで地味にポイントを稼ぎ続けてきた効果でポイント賞リーダーに!(ダイジェスト動画あり)
数年前までは勝利を量産し続けてきた怪童ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)だったが、このところは次々と現れる新星や、突発的に強くなったライバルたちの前に、2位や3位で終わることが多くなっていた。それでも最終的な結果を求め地味にポイントを稼ぎ続ける姿に、本当の強さを感じさせてくれた。
そしてそれは今大会でも健在だった。ここまで勝利こそなかったが、最終的なポイント賞を目的として中間スプリントなどでも地道にポイントを稼いでいた。そしてここへきてようやくステージ勝利を挙げるとともに、これまでの積み重ねが功を奏し、一気にポイント賞ジャージを獲得して見せた。
残り1㎞、ボーラ・ハンスグロエがペースを一気に上げてコーナーを抜けていくと、落車が発生、これを起因としてスプリンター集団が分裂してしまう。UAEチームエミレーツが人数を残しており、フェルナンド・ガヴィリア(UAEチームエミレーツ)のため最高のお膳立てをするが、それを最高の形で活かしたのはサガンだった。セバスチャン・モラノ(UAEチームエミレーツ)はガヴィリアのために最後のリードアウトを務めたが、そのハイペースをきちんとマークしていたのはサガン、ガヴィリアはその背後となる。
モラノが外れ一気に勝負に出るサガン、先行での仕掛けでそのままぐんぐんと加速すると、その背後から満を持してガヴィリアが飛び出そうとする。そしてサガンの逆サイドではダビデ・チモライ(イスラエル・スタートアップネーション)が加速、しかしサガンの加速は誰をも上回っていた。完勝ともいえるスプリント勝利で今大会初勝利、来シーズンの移籍が噂されているだけに手土産として、また置き土産として結果を残した。
「今日はチーム的にもいいい一日となったよ。中判から後半にかけて積極的に動き続け、それでライバルスプリンター達を削っていったからね。勝てたことは素直にうれしいよ。ユワンがステージ勝目を挙げたときもいい走りができていたので、どこかで勝てるとは思っていたよ。あとはこのシクラメン色のジャージ(ポイント賞)を守り抜くだけだね。」サガンはポイント賞という一つの目標達成に着実に迫っている。
翌日の休息日を前に、総合勢は一休みとなった。139㎞というショートステージ、さらにはスプリンターチームの動きもあり、位置取りには細心の注意を払い、無駄なタイムロスだけをしないことを心掛けていた。
ジロ・デ・イタリア第10ステージ順位
1位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ) 3h10’56”
2位 フェルナンド・ガヴィリア(UAEチームエミレーツ)
3位 ダビデ・チモライ(イスラエル・スタートアップネーション)
4位 ステファノ・オルダニ(ロット・ソウダル)
5位 ジャンニ・フェルメーシュ(アルペシン・フェニックス)
6位 ドリエス・デ・ボンド(アルペシン・フェニックス)
7位 アンドレア・ヴェンダラメ(AG2Rシトロエン)
8位 ヴィンチェンツォ・アルバニース(エオロ・コメタサイクリング)
9位 エリア・ヴィヴィアーニ(コフィディス)
10位 セバスチャン・モラノ(UAEチームエミレーツプ)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 イーガン・ベルナル(イネオス・グレナディアス) 38h30’17”
2位 レムコ・エヴァネポエル(ドゥクーニンク・クイックステップ) +14”
3位 アレクサンダー・ヴラソフ(アスタナ・プレミアテック) +22”
4位 ギウリオ・チッコーネ(トレック・セガフレド) +37”
5位 アティラ・ヴァルター(グルーパマFDJ) +44”
6位 ヒュー・カーシー(EFエデュケーションNIPPO) +45”
7位 ダミアーノ・カルーソ(バーレーン・ビクトリアス) +46”
8位 ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネーション) +52”
9位 サイモン・イェーツ(チームバイク・エクスチェンジ) +56”
10位 ダビデ・フォルモロ(UAEチームエミレーツ) +1’02”
ジロ・デ・イタリア第10ステージダイジェスト
H.Moulinette