ジロ・デ・イタリア2021第8ステージ:逃げ集団から勝負所でアタック一発!ラフェイがプロ初勝利をジロの山岳で達成!総合勢はお互いけん制し大きく動かず(ダイジェスト動画あり)
本格的な山岳連戦の週末、その第1ラウンドは経験浅い若者がプロ初勝利をジロの山岳ステージで達成するという最高の舞台となった。主人公はヴィクトール・ラファイ(コフィディス)、大きな戦歴がないラフェイの実力を、同じ逃げに乗ったメンバーは完全に見誤っていた。ヴィクトル・カンペナールツ(チームキュベカ・アソス)らによる派手な打ち上げ花火のようなアタック合戦、しかしそれには見向きもせず淡々とはしりつづけると、自分の間合いと見るや一気にアタックを仕掛け、先行していた他の選手たちが全く対処できない加速で独走態勢へと持ち込み、そのまま念願のプロ初勝利を挙げた。
スタートから50㎞程してようやく9人の逃げが容認されたこのステージ、レースはステージ優勝争いと、後続のメイン集団での総合争いという二つに振り分けられた。先頭の集団には、カンペナールツ、ネルソン・オリベイラ(モビスター)、アレクシス・グジャール(AG2Rシトロエン)など実力ある選手たちが多く顔をそろえた。
小さな町を抜けゴールまでの上り勝負に入るあたりから、カンペナールツが執拗にアタックを仕掛ける。しかしどれも決まることなく、さらなるアタックを誘発し、逃げ集団はつぶし合いの様相を見せる。しかし残り8㎞でようやくカンペナールツとジョバンニ・カルボーニ(バルディアーニCSFファイザネ)が抜け出し、それを単独でグジャールが追う展開となる。この時点でラファイはその後ろの集団で息を潜めていた。
勾配が一気にきつくなると、残り3㎞でカンペナールツが脱落、カルボーニが単独先頭となる。しかしその直後、ラフェイが逃げのメイン集団から飛び出していくと、その加速に誰も反応できずに見送る状態となる。そのまま残り2.2㎞でカルボーニに追いつくと、さらにペースを上げ一気に独走へと持ち込む。これで勝負あり、後続の逃げ集団の力ではもう追いつくことはできなかった。
「きつい一日だったよ。でもメイン集団が僕ら逃げを容認してくれて、タイム差が開いた時点で今日はチャンスだと思ったんだ。逃げ集団には純粋なクライマーはいなかったから、一番こういうコースが得意なオリベイラだけをマークしていたんだよ。でも思っていたよりも足に余裕があったんで、残り3㎞でアタックを仕掛けたんだ。そしたら信じられないことに勝っちゃったよ!」ラフェイはトークも絶好調だった。
ステージ2位にはフランチェスコ・ガバッツィ(エオロ・コメタサイクリング)、3位にはニキアス・アルント(チームDSM)のベテラン二人が力を見せ入った。そしてその背後の総合上位争いでは、横風などもあり何度となく集団の分裂が繰り返されたものの、大きな波乱もなく展開する。そのままほぼ集団のままゴール、アティラ・ヴァルター(グルーパマFDJ)がさらにもう一日総合リーダーの座を守り抜いた。また昨日までステージ2勝を挙げていたカレブ・ユワン(ロット・ソウダル)は次のレース目標のためにリタイアした。
ジロ・デ・イタリア第8ステージ順位
1位 ヴィクトール・ラフェイ(コフィディス) 4h06’47”
2位 フランチェスコ・ガバッツィ(エオロ・コメタサイクリング) +36”
3位 ニキアス・アルント(チームDSM) +37”
4位 ネルソン・オリベイラ(モビスター) +41”
5位 ジョバンニ・カルボーニ(バルディアーニCSFファイザネ) +44”
6位 コービー・グーセンス(ロット・ソウダル) +58”
7位 ヴィクトル・カンペナールツ(チームキュベカ・アソス) +1’00”
8位 アレクシス・グジャール(AG2Rシトロエン) +1’54”
9位 フェルナンド・ガヴィリア(UAEチームエミレーツ) +3’04”
10位 ジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +4’48”
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 アティラ・ヴァルター(グルーパマFDJ) 31h10’53”
2位 レムコ・エヴァネポエル(ドゥクーニンク・クイックステップ) +11”
3位 イーガン・ベルナル(イネオス・グレナディアス) +16”
4位 アレクサンダー・ヴラソフ(アスタナ・プレミアテック) +24”
5位 ヒュー・カーシー(EFエデュケーションNIPPO) +38”
6位 ダミアーノ・カルーソ(バーレーン・ビクトリアス) +39”
7位 ギウリオ・チッコーネ(トレック・セガフレド) +41”
8位 ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネーション) +47”
9位 サイモン・イェーツ(チームバイク・エクスチェンジ) +49”
10位 ルイ・ファルファエケ(アルペシン・フェニックス) +50”
ジロ・デ・イタリア第8ステージダイジェスト
H.Moulinette