ジロ・デ・イタリア2021第3ステージ:究極の下克上達成!ファン・デル・ホーンがスプリンターたちの夢を打ち砕き、まさかの逃げ切り勝利!(ダイジェスト動画あり)


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ジロ・デイタリアは第3ステージに入り、総獲得標高が2000mにも及ぶハードなコースが選手たちの前に立ちはだかった。しかし事前に予測されていたのはスプリンター決着、だがそんなスプリンターたちの夢を打ち砕くように、タコ・ファン・デル・ホーン(インターマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリアル)が鮮やかな逃げ切り勝利を決めた。これといった大きな戦績がないままに、シーズン前はコンチネンタルチーム(ワールドチームの2カテゴリー下)と契約するはずだったが、 インターマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリアルがトップカテゴリーのUCIワールドチームになるのに伴い拾われた男は、最大の恩返しをして見せた。ファン・デル・ホーン にとっても人生最大の勝利だが、チームにとってもUCIワールドチームとしての初勝利となった。

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レースは序盤にファン・デル・ホーンを含む8人に逃げが決まる。後続のメイン集団は、エースのピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)を勝たせるべく、終始 ボーラ・ハンスグロエが牽引する。しかし逃げはそのままわずかなタイム差のまま逃げ続ける。

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しかしコース終盤のアップダウンで逃げ集団は削られ5人となる。そして残り17㎞でファン・デル・ホーンとサイモン・ペロー(アンドローニ・ジョカットリ・シデルメック)が抜け出し、さらに残り9㎞を切りファン・デル・ホーンが一世一代の大勝負に出る。このタイミングで後続とのタイム差はおよそ1分ほど、逃げ切りには厳しいが可能性の光が見える距離で逃げ続ける。そして追走の集団の猛追撃を耐え凌ぎ、わずか4秒差で勝利を飾った。後続の集団はスプリントで2位争いを演じ、デビデ・チモライ(イスラエル・スタートアップネーション)が入り、サガンは3位に終わった。

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「信じられないよ!とにかく逃げに乗るので必死だったんだ。せっかくチャンスを与えてもらったジロなんで、アグレッシブにいきたかったんだ。勝利というのは本当に難しいもんだね。」ファン・デル・ホーンは感慨深げに語った。
総合勢はフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス)が首位をキープ、総合3位にレムコ・エヴァネポエル(ドゥクーニンク・クイックステップ)が上がってきた。

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ジロ・デ・イタリア第3ステージ順位
1位 タコ・ファン・デル・ホーン(インターマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリアル) 4h21’29”
2位 ダビデ・チモライ(イスラエル・スタートアップネーション) +04”
3位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)
4位 エリア・ヴィヴィアーニ(コフィディス)
5位 パトリック・べヴィン(イスラエル・スタートアップネーション)
6位 ジャンニ・フェルメーシュ(アルペシン・フェニックス)
7位 フェルナンド・ガヴィリア(UAEチームエミレーツ)
8位 アルベルト・ベッティオール(EFエデュケーションNIPPO)
9位 ステファノ・オルダニ(ロット・ソウダル)
10位 ジャコポ・モスカ(トレック・セガフレド)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス) 4h29’53”
2位 トビアス・フォス(ユンボ・ヴィズマ) +16”
3位 レムコ・エヴァネポエル(ドゥクーニンク・クイックステップ) +20”
4位 ジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
5位 レミ・カバニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +21”
6位 ジャンニ・モスコン(イネオス・グレナディアス) +26”
7位 アレクサンダー・ヴラソフ(アスタナ・プレミアテック) +27”
8位 アルベルト・ベッティオール(EFエデュケーションNIPPO) +29”
9位 ヨナタン・カストロビエホ(イネオス・グレナディアス) +30”
10位 ディエゴ・ウリッシ(UAEチームエミレーツ) +32”
ジロ・デ・イタリア第3ステージハイライト
H.Moulinette