ジロ・デ・イタリア2021第2ステージ:スプリント勝負は現シクロクロッサーのメリエールに軍配!ロードとの二刀流の一人がグランツールでビッグな勝利!(ダイジェスト動画あり)


©RCS
28歳になって初のグランツール、どちらかと言えば遅咲きともいえるのが今のロード界の流れだ。しかしシクロクロスで培った経験と勘で、ここ数年めきめきと力をつけ結果を残してきた男にとって、グランツールもまたほかのレース同様に通過点なのかもしれない。ティム・メリエール(アルペシン・フェニックス)はグランツールのロードステージの実質デビュー戦となるその最初のステージで、並みいる競合スプリンターを相手に真っ向勝負、最高のポジション取りで見事にグランツール初勝利を挙げた。ゴールでは指をダブルにして空に掲げ、10年前レース中に事故死したウェイランツに勝利を捧げた。

©RCS
第2ステージは今大会初めてのスプリントステージ、レース序盤から3人の逃げが発生したが、残り25㎞で捉まると一気に各チームが臨戦態勢へと移行する。しかしどのチームにとっても大会最初のスプリントステージは欲しいもの、そのため特定のチームが主導権を握ることが難しく、激しい位置取り争いが繰り広げられる。

©RCS
そのままもつれた状態で残り1㎞を切り、ゴールまで500mでコフィディスがエリア・ヴィヴィアーニ(コフィディス)を発射すべく動くが、そこに合わせてきたのがフェルナンド・ガヴィリア擁するUAEチームエミレーツだった。しかし牽引を外れたアシストが、よりによってガヴィリアが抜けようとするコースバリア側に避けたために、ガヴィリアはなんとコースバリアに高速で寄りかかる形となって加速できず、落車こそ免れたが勝利も逃してしまう。
メリエールは最終コーナーで一気に先頭に躍り出ると、そのまま勝負に打って出る。残り250m、追いすがるライバルたちを加速で振り切り、見事に先頭でゴールラインを通過した。ジャコモ・ニッツォーロ(チームキュベカ・アソス)が2位に入り、ヴィヴィアーニは3位、そして9か月の出場停止明けのディラン・グローネウェーゲン(ユンボ・ヴィズマ)は遠慮がちなスプリントで4位に終わった。
「グランツールで勝利することができて光栄だよ。ゴール前にロータリーがあるのはわかっていたし、そこでの位置取りが重要になることはわかっていたよ。結構なロングスパートにはなったから、”加速しなきゃ!”って思ったんだ。この勝利はでかいね。」メリエールは笑顔で語った。

©RCS
初日総合リーダーを獲得したフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス)も中間スプリントでボーナスタイムを稼いだうえで安全にゴールし、総合リーダーの座を守った。
「ボーナスタイムを狙ったんだよ。一日でも長くこのジャージをキープし、そのままチームメイトの受け渡すのが狙いだからね。だからほかのチームには取られたくなかったんだよ。しかしピンクジャージはいいね、沿道の歓声が全部自分のためにあるように感じたよ。」ガンナはそうレース後に語り、チームとして完全勝利(初日から最終日まで総合リーダージャージを守り抜く)を目指していることを明かした。

©RCS
ジロ・デ・イタリア第2ステージ
1位 ティム・メリエール(アルペシン・フェニックス) 4h21’09”
2位 ジャコモ・ニッツォーロ(チームキュベカ・アソス)
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(コフィディス)
4位 ディラン・グローネウェーゲン(ユンボ・ヴィズマ)
5位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)
6位 マッテオ・モシェッティ(トレック・セガフレド)
7位 フィリッポ・フィオレッリ(バルディアーニCSFファイザネ)
8位 ローレンス・ナーセン(AG2Rシトロエン)
9位 デビデ・チモライ(イスラエル・スタートアップネーション)
10位 カレブ・イーワン(ロット・ソウダル)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス) 4h29’53”
2位 アルド・アフィニ(ユンボ・ヴィズマ) +13”
3位 トビアス・フォス(ユンボ・ヴィズマ) +16”
4位 レムコ・エヴァネポエル(ドゥクーニンク・クイックステップ) +20”
5位 ジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
6位 レミ・カバニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +21”
7位 ホス・ファン・エムデン(ユンボ・ヴィズマ)
8位 マックス・ワルシェイド(チーム・キュベカ・アソス) +22”
9位 マテアス・ブランドル(イスラエル・スタートアップネーション) +25”
10位 ジャンニ・モスコン(イネオス・グレナディアス) +26”
ジロ・デ・イタリア2021第2ステージダイジェスト
H.Moulinette