クールネ・ブリュッセル・クールネ2021:シクロ出身者躍動!ヴァン・デル・ポエルがあわやの大逃げも、残り2㎞で捕まるがピドコックはスプリントでいきなりの3位!制したのはペデルセン!(動画あり)
連日行われたクラシック第2戦のクールネ・ブリュッセル・クールネは、シクロクロスから来た選手たちがそのポテンシャルを遺憾なく発揮するレースとなった。しかし最後はスプリント勝負へともつれ込み、マッズ・ペデルセン(トレック・セガフレド)が大きな一勝をチームにもたらした。
レースが大きく動いたのは残り83㎞、すでに多くの勝利を挙げロード界の風雲児となっているシクロクロス世界王者のマシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・フェニックス)だった。強豪とは言えないアルペシン・フェニックスは集団先頭に躍り出ると、そのままファン・デル・ポエルのアタックへとつなぐチームワークを見せた。ヨナタン・ナバエス(イネオス・グレナディアス)と共に、先に逃げている集団を追走する二人旅へと漕ぎ出した。ファン・デル・ポエルは、ここからいつも通り驚異の走力を見せる。
何度となく数十キロの逃げを成功させている男は、残り60㎞で名物難所オウド・クワレモントで先行していた集団に追いつくと、5人となった逃げはそのまま後続集団との差を30秒ほど保ったまま走り続ける。
通常であれば後続とのタイム差が10秒ほどにまで縮まると、逃げ集団は諦めて吸収されることを選択するが、ファン・デル・ポエルにはそんな選択は全く無いようだった。ほとんど一人で逃げ集団をけん引し続けながらも、まったくその攻撃の手を緩めない。追走が迫ろうがお構いなしに踏み続ける姿には圧倒的な存在感を感じさせた。
しかしそれでも勝利をみすみす譲るつもりはない追走集団は、懲りずにタイム差を何度となく縮めては離れを繰り返すと、キャスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ)がチームの連日の勝利を狙い強烈な引きを見せ残り1600mでようやくヴァン・デル・ポエルを捉えることができた。すると吸収と同時に一気にスプリント勝負へ向け流れは変わっていく。
自らも勝利できるスプリンターであるジャスパー・ストゥーヴェン(トレック・セガフレド)のリードアウトは、ライバルチームにとっては対処しきれなかった。ペデルセンは余裕をもって勝利、チームは幸先よくクラシックで勝利を獲得した。
「スーパーハッピーだよ。ベルギーのレースは大好きなんだよ。本当は沿道の観衆がいるともっといいんだけどね。ロバ(勝者へ送られるおもちゃのロバを持って)大好きなんだよ。ストゥーヴぇンも好きなはずだよ。こいつはライアンと名付けよう!(チームメイトのライアン・ミューレンにあやかって)。」
また今シーズンからイネオス・グレナディアスでロードを走るトム・ピドコックが3位、先日までトリニティーレーシングの一員としてシクロクロスシーズンを戦って結果を出していた男は、その躍進そのままにロードでもいきなりの表彰台を獲得して見せた。
クールネ・ブリュッセル・クールネ2021ダイジェスト
クールネ・ブリュッセル・クールネ2021
優勝 マッズ・ペデルセン(トレック・セガフレド) 4h37’04”
2位 アンソニー・チュルギス(トータル・ダイレクトエナジー)
3位 トム・ピッドコック(イネオス・グレナディアス)
4位 マッテオ・トレンティン(UAEチームエミレーツ)
5位 イェンス・ビールマンス(イスラエル・スタートアップネーション)
6位 ソニー・コルブレッリ(バーレーン・ビクトリアス)
7位 ニルス・ポリット(ボーラ・ハンスグロエ)
8位 グレッグ・ヴァン・アーヴェルマート(AG2Rシトロエン)
9位 ベルト・ファン・レーベルへ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
10位 エリック・ノードセーター(UNO-Xプロサイクリング)
H.Moulinette