NTTがメインスポンサー撤退で解散の危機から一転、アソスがスポンサーに加わりキュベカ・アソスとして来シーズンも戦うことが決定、積極的補強で最強若手エヴァネプールのライバル加入
NTTプロサイクリングとして印象的な活躍した今シーズンだったが、NTTのスポンサー撤退により解散の危機が囁かれ、その時点で数名の主力級選手を流出してしまったチームだったが、衣料品メーカーのアソスがスポンサーに加わり来シーズンをキュベカ・アソスとして戦うことが決まった。長きにわたりパートナーでもあるチャリティー団体のキュベカが引き続きその中心を担い、スイスのスポーツウェアメーカーがそれを支える形となる。
他チームが解散や吸収合併、さらには予算圧縮など新型コロナの影響が色濃く残るストーブリーグとなった。多くのチームがすでに来シーズンへ向けた契約をまとめ、登録枠を埋める中、存在自体が危機にさらされていたチームは苦境に立たされていた。しかし逆に他チームでの契約を勝ち取れなかった中堅やベテラン選手も多くおり、その中から積極的な補強が行える形となった。
アワーレコード再挑戦を新型コロナ感染で逃してしまったヴィクター・カンペナールツだが、TTでの速さは安定しており、チームが存続になったことで引き続きチームに残ることが決まった。さらにジャコモ・ニッツォーロの残留が決定、チームのTTスペシャリスト、スプリンターのエースを担う二人は安堵感をにじませた。
まずはルーカス・ウィニオウスキーが今シーズン限りで解体となったCCCから加入となった。チームスカイに所属していた2018年度のオムループ・ヘット・ニウスブラッドでは2位に入るなど、これで4シーズンで3チーム目という旅ガラスはクラシックでの走りが期待される。
さらにショーン・ベネットがEFプロサイクリングから加入する。グランツールも経験している24歳はEFプロサイクリングでは結果が残せなかったが、元MTB選手としてのポテンシャルも高異だけに飛躍が期待される。こちらも4シーズンで3チーム目と渡り歩くこととなる。
最後に加わるのがカレル・ヴァチェックだ。今シーズンはプロコンチネンタルチームに所属していたが、来シーズンは世界最高峰での活躍が期待される20歳だ。ジュニアレベルで走っていた2018年度は今や最強と呼ばれるレムコ・エヴァネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ)を真っ向勝負で破るなど、そのポテンシャルは高く評価されており、大化けする可能性を秘めている。いずれはグランツールでの総合を狙いたいと豪語する若手の活躍には要注目だ。
そして主力として実績十分なサイモン・クラークがEFプロサイクリングから加入、ディミトリー・クラエスがコフィディスから、そしてキリアン・フランキニーがグルーパマFDJからの加入となる。さらにファビオ・アルーの加入も囁かれており、チームの層は分厚くなりそうだ。ただトップカテゴリーで脂の乗り切った状態から下降気味の選手が多いというのは否めない。それでもメンバーとしては実力もあるメンバーが揃い、来シーズンの活躍が期待される。
アフリカ初のプロコンチネンタルチーム、そして同じくアフリカ初のワールドツアーチームとして世界の舞台で活躍してきたチームは、来シーズンも”キュベカ(前進)”スピリットでレースシーンを盛り上げてくれそうだ。
H.Moulinette