ブエルタ・ア・エスパーニャ第8ステージ:ログリッチが逆襲!真っ向勝負でカラパズを振り切りステージ勝利!総合でも再び首位に肉薄!

総合争いが大会初日から勃発している今年のブエルタ・ア・エスパーニャ、優勝候補最右翼のプリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ)が先日総合リーダージャージのマイヨ・ロホを失ったが、そのままで終わる男ではないことはわかっていた。そして大会中盤の第8ステージでそのログリッチが逆襲、見事にステージ優勝を挙げ、ゴールではお得意のテレマークポーズ(スキージャンプ選手の着地ポーズ)を決めた。

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総合リーダージャージをどの段階で奪還に来るのか、そんなことが皆の関心事となっている今大会、そのチャンスが意外にも早くこのステージで訪れた。結果として奪還こそできなかったものの、ステージ優勝に加え、総合でも順位を2位まで上げてきた。

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この日は最後の頂上ゴール決戦となることが予想された。7名の逃げが発生、そして5分以上のタイム差を広げるが、この日は逃げ切りは容認されなかった。幾多の工房の末、残り3.5㎞で仕掛けたのはヒュー・カーシー(EFプロサイクリング)、昨日のステージ覇者マイケル・ウッズ(EFプロサイクリング)の牽引でライバルたちを削っていく。しかしこの加速で一番のあおりを食らったのはカーシー自身だった。ここで力を奪われたカーシーはリチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス)とログリッチのアタックに対処できない。

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カラパズとログリッチの直接対決は、ライバルたちを置き去りにし、二人だけが別次元の走りで頂上ゴールへ向け加速していく。残り750mで動いたのはログリッチ、一気の加速でカラパズを振り切ると、そのままゴールまで逃げ切って見せた。
しかしカラパズも粘りの走りで何とか13秒差でゴール、総合リーダージャージを死守した。そしてダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネーション)が粘りの走りでステージ3位、総合優勝争いに踏みとどまった。
このステージで最後に苦しんだのはモビスターだった。ステージ後半積極的な牽引で集団を引っ張り、攻撃的な姿勢を見せ続けたが、最終的にはエンリック・マス、マルク・ソレル、アレハンドロ・バルベルデの3人がそれぞれ苦しみ脱落、タイムを失う結果となってしまった。

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「僕はいつでも勝ちたいんだよ。少しでもチャンスがあれば狙うのが筋だろ。今日はきつかった、でも最後に脚が残っていたので勝てたんだよ。総合でもタイムを奪い返せてよかったよ。でもそれ以上にまずは”勝利”が重要だよ。だからステージを制するのはとても意味があるんだ。」ログリッチは笑顔で語った。

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ブエルタ・ア・エスパーニャ第8ステージダイジェスト
ブエルタ・ア・エスパーニャ第8ステージ順位
1位 プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ) 4h07’08”
2位 リチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス) +13”
3位 ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネーション) +19”
4位 アレクサンダー・ヴラソフ(アスタナ) +25”
5位 ヒュー・カーシー(EFプロサイクリング) +33”
6位 ワウト・ポエルス(バーレーン・マクラーレン) +35”
7位 エンリック・マス(モビスター) +54”
8位 セップ・クス(ユンボ・ヴィズマ)
9位 エステバン・チャベス(ミッチェルトン・スコット) +1’33”
10位 クレメント・シャムポウシン(AG2Rモンディアル) +1’37”
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 リチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス) 32h31’06”
2位 プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ) +13”
3位 ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネーション) +28”
4位 ヒュー・カーシー(EFプロサイクリング) +44”
5位 エンリック・マス(モビスター) +1’54”
6位 フェリックス・グロスチャートナー(ボーラ・ハンスグロエ) +3’28”
7位 エステバン・チャベス(ミッチェルトン・スコット) +3’35”
8位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) +3’40”
10位 ワウト・ポエルス(バーレーン・マクラーレン) +3’47”
H.Moulinette