ジロ・デ・イタリア第11ステージ:昨日の借りは今日返す!デマールがド迫力スプリントで今大会早くも4勝目!ポイント賞ライバルのサガンはまたしてもデマールに勝てず
スプリントはチーム力が大きくものをいう。名アシストと言われる選手がいたりする中で、グルーパマFDJのトレインが強いという印象はあまり持っていなかった。しかし今大会のグルーパマFDJの気合の入り方は、間違いなくアルノー・デマール(グルーパマFDJ)が今シーズン勝利を量産していることも影響しているだろう。
第11ステージを制したのはそのデマール、昨日は一日を通して仕掛けまくったピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)に勝利を奪われたが、そのお返しとばかりにきっちりとスプリントでねじ伏せ、ポイント賞争いでも突き放した。
182㎞のこのステージはスタート直後から活発な動きが発生する。プロコンチネンタルのチームにとっては、ワイルドカードでの出場はまたとないアピールのチャンス。チームにとってはスポンサー獲得に繋がり、選手たちにとってはさらに大きな契約への足掛かりとなるのだ。この日はそんなプロコンチネンタル勢が積極的に動いた。アンドロ―二・ジョカットリ・シデルメック、そしてバルディア―二CSFファイザネ、さらにはヴィーニ・ザブKTMが5名の逃げに選手を送り込んだ。
しかしこの日はスプリンターチームが積極的な追走を行う。グルーパマFDJに加え、まだ今大会未勝利のUAEチームエミレーツ、そしてコフィディスがそれぞれのエーススプリンター、フェルナンド・ガヴィリアとエリア・ヴィヴィアーニのために動き、タイム差はおよそ2分で膠着状態となる。
先頭集団は残り36㎞で分断される。サンデル・アルメ(ロット・ソウダル)と、マッティア・ベイス(アンドロ―二ジョカットリ・シデルメック)が飛び出すと、そのまま残り3人はズルズルと後退していた。
スプリンターステージで、途中でメカトラや落車に遭うことは、一気に勝負で不利になることを意味するが、この日のバッドラックはヴィヴィアーニに降りかかった。ラウンドアバウトでオートバイと接触し落車、集団に追いつくだけで相当の体力を消耗する羽目となった。
残り24㎞でついに先頭はアルメだけとなり、独走態勢となる。残り16㎞を切りようやくヴィヴィアーニは集団復帰を果たし、各チーム主導権争いが激しくなり始める。UAEチームエミレーツの追走は勢いがなく、先頭のタイム差の縮まり方が緩やかすぎるため、残り10㎞ではついにドゥクーニンク・クイックステップが動く。もちろんジョアオ・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ)の総合死守とリスク回避もあるが、先頭を捉まればスプリント勝負でチャンスもあるだけに強烈な引きを見せ、残り6.5㎞でつにアルメを吸収してしまった。
ここから主導権争いはUAEチームエミレーツとイスラエルスタートアップネーションが握るが、残り2㎞ではグルーパマFDJがそれを奪い取る。しかしまたしてもUAEチームエミレーツがそれを抑え込んで主導権を握るが、最終的にゴール前で覇権を握ったのはまたしてもグルーパマFDJだった。
真っ先に仕掛けたのはデマール、そしてライバルたちがそれに一斉に反応する。がヴィリアの動きを一瞬追ったサガンだったが、躊躇なく大きく進路を変えデマールに張り付き勝負に出るが、勢いのあるデマールの走りにはまったくかなわなかった。余裕でガッツポーズを決めるデマールに対し、またしても2位に終わったサガンは、昨日の勝利から一転、また悔しさをにじませた。3位にはアルヴァロ・ホセ・ホデグ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が入った。
「素晴らしい!ただ素晴らしいよ!チームが僕のために動いてくれたんだよ。逃げを追走して、さらに最後はおぜん立て、皆が素晴らしい働きをしてくれたよ!後は400mまで我慢をしてスプリントをするだけだったよ。皆が狙っているのはわかっていたけど、強いものが勝つ、僕の勝利だったね。正直ステージ4勝目には驚いているよ!ここまで勝てるとは思いもしなかったからね。この勝利はチームのものだよ。」デマールはチームの働きを褒めたたえた。
総合系はこの日は動きなく、脚を休めることができた。
ジロ・デ・イタリア第11ステージダイジェスト
ジロ・デ・イタリア第11ステージ順位
1位 アルノー・デマール(グルーパマFDJ) 4h03’52”
2位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)
3位 アルヴァロ・ホセ・ホデグ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
4位 シモーネ・コンソーニ(コフィディス)
5位 リック・ツァベル(イスラエル・スタートアップネーション)
6位 ニコ・デンツ(チームサンウェブ)
7位 フェルナンド・ガヴィリア(UAEチームエミレーツ)
8位 ステファノ・オルダーニ(ロット・ソウダル)
9位 ジャコポ・モスカ(トレック・セガフレド)
10位 エリア・ヴィヴィアーニ(コフィディス)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 ジョアオ・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ) 43h41’57”
2位 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ) +34”
3位 ペッロ・ビルバオ(バーレーン・マクラーレン) +43”
4位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(NTTプロサイクリング) +57”
5位 ヴィンチェンツオ・ニーバリ(トレック・セガフレド) +1’01”
6位 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグロエ) +1’15”
7位 ジェイ・ヒンドリー(チームサンウェブ) +1’19”
8位 ラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグロエ) +1’21”
9位 ファウスト・マスナダ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +1’36”
10位 ヘルマン・ペルシュタイナー(バーレーン・マクラーレン) +1’52”
H.Moulinette