ジロ・デ・イタリア第7ステージ:横風区間で攻防!143㎞を新記録の平均時速51.234㎞で駆け抜ける超ハイスピードバトル!制したのはまたもデマール!連日の勝利で7ステージ3勝!

勝ち癖というものはある。勝ててしまう時というのは調子にかかわらず結果勝利を得られてしまうのだ。そして気が付けば勝利量産となる。逆に当然負け癖もあるわけで、調子が良くてもいつもカテナ、紙一重のところで逃し続けることもある・・・勝負の明暗、それは勝ち癖と負け癖も大きな要素なのだ。

©Giro d’Italia
今シーズン新型コロナでシーズンが分断されたが、再開された後から勝利を量産し続けているのがアルノー・デマール(グルーパマFDJ)、ジロ・デ・イタリア開幕後も絶好調に勝利を積み重ね、この第7ステージを含め7ステージで3勝、今シーズンの勝利数は早くも13勝となった。短縮されたシーズン、少ないレースでのこの勝利数は勝ち癖と勝利の女神に愛されている証拠だ。
横風が強く勝敗を左右すると思われたこのステージ、チーム力のある各チームが攻めて集団の分断を狙ってくることは予想できた。そしてこの日はそんなドゥクーニンク・クイックステップとユンボ・ヴィズマが強烈なペースアップをし、まるで集団全体がチームTTのような状況となる。平坦での速度は時速70㎞まで到達し、ついに集団が分裂する。

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先頭集団側には総合リーダーのジョアオ・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ)やスプリンターのデマールやピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)らが入る一方で、総合系のヴィンチェンツォ・ニーバリ(トレック・セガフレド)、ヤコブ・フグルサング(アスタナ)、ラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグロエ)、サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)、ペッロ・ビルバオ(バーレーン・マクラーレン)、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(NTTプロサイクリング)らが後方集団に取り残されてしまう。
30名ほどまで減った先頭集団だったが、追走の大集団はこの日は諦めることをしなかった。アスタナやロット・ソウダルが中心となり必死の追走を見せる。そしてそれに答えるかのように風向きが変わる。今までの横風から追い風となり何とか分断された集団は一つへと戻る。しかしこの追走で多くの総合系の選手たちはかなり脚を使わされる結果となった。

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しかしこの日は何度となく集団内で落車が発生してしまう。疲れと追いついた安堵感からか、何人もの選手が地面に転がる羽目となる。そしてその分断でハーム・ファンホッケ(ロット・ソウダル)、ポッツォヴィーヴォはここでもまた追走をする羽目となる。20㎞近くを要し、何とか残り20㎞を前に、かろうじて集団復帰を果たすが、相当の体力を削られることとなった。
そしてこの日もゴール手前2㎞から4つの直角コーナーという難しいコース設定。これにより各選手たちは位置取りで神経質にならざるを得ない。すでに勝利を挙げているグルーパマFDJは余裕の牽引を見せる反面、いまだ勝利できていないボーラ・ハンスグロエなどは失敗してはならないとなかなか積極的な牽引にならない。

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ポイント賞リーダーの紫のジャージを着用するデマールは、王者の走りでスプリントを開始、サガンだけがそれをぴたりとマークするが、デマールの速度と同じ速度では先着することは不可能だった。デマールはこれでステージ連勝、今大会3勝目を挙げた。対してサガンはまたしても2位、もちろん悪い結果ではないが、負け癖がついているとしか思えないほどに2位が続いている。

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「最高のチームメイトが差を付けたね。お膳立ては完璧、最高だったよ。今日は難しいステージだったよ。高速で推移したかと思えば突然追い風で落車が続いたしね。でもそれが落ち着いてからはチームが仕事をしてくれたから安心していられたよ。でもゴールまでもまた高速で推移したから位置取りが難しかったよ。気がついたらサガンが後ろにいたけど、まあでも勝てたから問題ないよ。」勝者にはコメントにも余裕が感じられた。
ジロ・デ・イタリア第7ステージダイジェスト
ジロ・デ・イタリア第7ステージ順位
1位 アルノー・デマール(グルーパマFDJ) 2h47’28”
2位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)
3位 マイケル・マシューズ(チームサンウェブ)
4位 ベン・スイフト(イネオス・グレナディアス)
5位 アルヴァロ・ホゼ・ホデグ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
6位 ルディー・バルビエ(イスラエル・スタートアップネーション)
7位 ダビデ・バレリー二(ドゥクーニンク・クイックステップ)
8位 エンリコ・バッタリン(バーレーン・マクラーレン)
9位 フィリポ・フィオレッリ(バルディアーニCSFファイザネ)
10位 エリア・ヴィヴィアーニ(コフィディス)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 ジョアオ・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ) 24h48’29”
2位 ペッロ・ビルバオ(バーレーン・マクラーレン) +43”
3位 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ) +48”
4位 ハーム・ファンホッケ(ロット・ソウダル) +59”
5位 ヴィンチェンツオ・ニーバリ(トレック・セガフレド) +1’01”
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(NTTプロサイクリング) +1’05”
7位 ヤコブ・フグルサング(アスタナ) +1’19”
8位 スティーブン・クライズワイク(ジャンボ・ヴィズマ) +1’21”
9位 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグロエ) +1’26”
10位 ラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグロエ) +1’32”
H.Moulinette