ジロ・デ・イタリア第2ステージ:ゴール前抜け出した3人によるスプリントバトルを制したのはウリッシ!サガンは届かず2位、そして若手のホノレが殊勲の3位!
時季外れのジロは、例年とは違う気候もまた一つカギとなる。そしてスケジュールがタイトなことで、グランツールライダーがはっきりと分散し、普段であればサブエースクラスの選手たちにも大きなチャンスと可能性がある。当然ステージ優勝争いも、グランツール初出場の選手や若手など、多くの猛者たちが勝利を狙っている。
ジロ・デ・イタリア第2ステージを制したのはディエゴ・ウリッシ(UAEチームエミレーツ)、これでジロ通算7勝目となった。世界選手権ではいいところなく批判にさらされたウリッシだったが、イタリア人の連日のステージ優勝に地元は大いに沸いた。
この日レースの主役にまずなったのは、逃げ職人のトーマス・デ・ヘント(ロット・ソウダル)だった。数多くの大逃げを成功させてきているベテランは、この日もしっかりと逃げを決める。4人の選手がそれに加わり、149㎞という短めのステージはあっという間に逃げ切りへのドキドキとワクワクを感じさせるものとなった。デ・ヘントはそこから中間スプリントと山岳ポイントを順番に荒稼ぎしていく。
今大会すでに総合系エースのルイ・アンヘル・ロペス(アスタナ)を初日に落車で失っているアスタナだが、も一人の期待の選手であった、アレクサンダー・ブラソフ(アスタナ)を体調不良で失ってしまう。ヤコブ・フグルサング(アスタナ)が残っているとはいえ、アシスト、サブエースも務められる有力選手をいきなり二人も失ったアスタナにとっては、これからの戦術がかなり苦しいものとなりそうだ。
最大5分差まで逃げとメイン集団との差は開くが、後続の集団は簡単に逃げ切りは許すまいとペースをコントロールする。エースのピーターサガンで勝利を狙うボーラ・ハンスグロエ、そして曲者集団のドゥクーニンク・クイックステップが追走の主導権を握り、残り30㎞で1分差、そして残り13㎞で25秒差と無理ないペースで先頭集団を追い詰める。こうなれば無駄なことはしないデ・ヘントは残り11㎞での最後の中間スプリントを制して逃げを離脱し集団に吸収を選択、そして最後まで逃げ続けた一人も残り9㎞で吸収される。
そうなればもうあとはステージ優勝を狙った直接対決となっていく。そしてゴールまでの上りでヴァレリオ・コンティ(UAEチームエミレーツ)がウリッシのために一気にペースを上げると、ルーカ・ワッカーマン(ヴィーニ・ザブKTM)がアタック、そしてミケル・フロリッヒ・ホノレ(ドゥクーニンク・クイックステップ)、サガン、そしてウリッシがそれに反応して飛び出し、レースはそのままウリッシ、サガン、ホノレの一騎打ちとなる。
そうなればものをいうのが経験と勝負勘、ここまで勝利をあまり挙げられていないサガンは切れ味を感じられず、ホノレは経験不足のなかで、ウリッシの策略と加速が二人を圧倒的に上回った。一瞬意図的に足を止めたウリッシを見て、ホノレが加速、そしてそれに合わせてサガンが動き、さらにウリッシが優位な立場からその二人を仕留めた。「コンティにペースを上げてスプリンターたちを粉砕してくれと頼んだんだよ。完璧な作戦とチームワークだったよ!」ウリッシは作戦通り勝利を挙げることに成功した。
そして総合勢に動きはなく、昨日に引き続きガンナが総合リーダージャージを守って見せた。「明日からはゲラント・トーマスのためにしっかりと働くよ。」チームは早くも総合優勝を視野に動き始めそうだ。
ジロ・デ・イタリア第2ステージダイジェスト
ジロ・デ・イタリア第2ステージ順位
1位 ディエゴ・ウリッシ(UAEチームエミレーツ) 3h24’58”
2位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)
3位 ミケル・フロリッヒ・ホノレ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
4位 マイケル・マシューズ(チームサンウェブ) +05”
5位 ルーカ・ワッカーマン(ヴィーニ・ザブKTM)
6位 ホァオ・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
7位 ジャンル―カ・ブランビッラ(トレック・セガフレド)
8位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(トレック・セガフレド)
9位 ペッロ・ビルバオ(バーレーン・マクラーレン)
10位 ルーカス・ハミルトン(ミッチェルトン・スコット)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス) 3h40’27”
2位 ジョアオ・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +22”
3位 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアス) +23”
4位 トビアス・フォス(ユンボ・ヴィズマ) +31”
5位 ヨセフ・チェルニー(CCCチーム) +36”
6位 マッテオ・ソブレロ(NTTプロサイクリング) +40”
7位 ヤン・トラトニック(バーレーン・マクラーレン) +42”
8位 サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) +49”
9位 タネル・カンゲルト(EFプロサイクリング)
10位 ディエゴ・ウリッシ(UAEチームエミレーツ) +54”
H.Moulinette