TDF Stage 2:亡き父に捧げる勝利!アラフィリップが抜群の勝負勘で逃げ切りからのスプリント勝利でマイヨ・ジョーヌ獲得!ポエルスは昨日の落車で肋骨骨折と肺損傷もリタイアせず出場
昨日の落車の影響はペロトン(集団)の中で顕著だった。多くの選手たちが手や足に包帯を巻いた状態で出走、痛々しいその姿の多さはまさにここが「戦場」であることを感じさえた。ワウト・ポエルス(バーレーン・マクラーレン)は肋骨骨折と肺損傷を負いながらも出場を強行、ツール出場という重みを改めて感じさせた。
そんなステージは序盤から逃げが発生するが、このステージを「クラシック」と見立てたドゥクーニンク・クイックステップとジュリアン・アラフィリップが思惑通りの展開を披露、見事にステージ優勝と総合リーダーの証、マイヨ・ジョーヌを手に入れた。
前半逃げ続けたピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)らの集団が吸収され、レースはステージ優勝をめぐる攻防へとつながっていく。残り13㎞、先頭集団が激しく駆け引きをする中で、アラフィリップが一撃のカウンター攻撃で見事に集団を置き去りにする。これに唯一反応できたのはマルク・ヒルシュ(チームサンウェブ)、そしてそこに遅れてアダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)も合流してくる。
3名となった先頭集団は、ローテーションを繰り返しながら後続との差を20秒以上にまで広げる。何とか追走を試みたい後続集団だが、どのチームも人数を減らしており、積極的な追走を仕掛けるには至らない。3名はそのまま逃げ続けると残り1㎞を切り駆け引きを始める。常に追走に目をやりながら、追いつかれないぎりぎりのタイミングまでお互いの一挙手一投足に目を光らせる。
しかしここでも真っ先に動いたのはアラフィリップ、一気に加速を始めるとイェーツは反応できずに失速、そしてヒルシュは食い下がり何とかサイド・バイ・サイドの接戦へと持ち込もうとするが、勝負勘鋭いアラフィリップの計算づくの戦略の前に僅か届かず2位に終わった。イェーツは何とか追走集団の前でゴールしステージ3位、貴重なボーナスタイムを獲得し、総合2位にジャンプアップを果たした。
ゴールで天を指さしてガッツポーズを決めたアラフィリップ、6月に亡くなった父に勝利を捧げ、ゴール後に涙を流した。「ツールの勝利はいつでも格別だよ。でも今年の勝利は一段と特別だよ。シーズン序盤以降勝利できていなかったし、今年はいろいろとあったからね。この勝利は父親に捧げるよ。追悼の勝利が挙げられて本当に良かった。」アラフィリップはゴール後こみ上げる想いに涙した。
「このジャージをできる限り守り抜くよ。」アラフィリップは今年も大会を盛り上げてくれそうだ。
TDF第2ステージハイライト
TDF第2ステージ
1位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) 4h55’27”
2位 マルク・ヒルシュ(チームサンウェブ)
3位 アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) +01”
4位 グレッグ・ヴァン・アーヴェルマート(CCCチーム) +02”
5位 セルジオ・イギータ(EFプロサイクリング)
6位 バウク・モレンマ(トレック・セガフレド)
7位 アレクセイ・ルチェンコ(アスタナ)
8位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)
9位 マックス・シャッフマン(ボーラ・ハンスグロエ)
10位 アルベルト・ベッティオール(EFプロサイクリング)
TDF総合順位
1位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) 8h41’35”
2位 アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) +04”
3位 マルク・ヒルシュ(チームサンウェブ) +07”
4位 セルジオ・イギータ(EFプロサイクリング) +17”
5位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)
6位 エステバン・チャベス(ミッチェルトン・スコット)
7位 ダビデ・フォルモロ(UAEチームエミレーツ)
8位 イーガン・ベルナル(イネオス・グレナディアス)
9位 リチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス)
10位 トム・デュムラン(ジャンボ・ヴィズマ)
H.Moulinette