パリ~ニース第7ステージ:大会短縮の最終ステージを制したのはキンターナ!べノートがステージ2位で迫るもシャフマンが踏ん張り切り総合優勝!
コロナの影響で最終ステージがカットされた今年のパリ~ニース、代わりに最終ステージとなった第7ステージの山岳バトルはクライマーたちにとっては試しの場となった。そんな最終ステージを制したのはナイロ・キンターナ(アルケア・サムシック)、あえてプロコンチネンタルチームに移籍したことへの批判を一蹴し、結果を残して見せた。そして総合優勝は総合リーダージャージをマックス・シャッフマン(ボーラ・ハンスグロエ)が守り切り、大方の予想を覆しての栄冠となった。シャフマンは第1ステージで勝利してから、最後まで一度も総合リーダージャージを譲ることなく、完全勝利を果たした。
残り3.6km、キンターナが動くが、これにライバルたちは反応しない。追走集団にはヴィンチェンツォ・ニーバリ(トレック・セガフレド)、ティボー・ピノー(グルーパマFDJ)、セルジオ・イギータ(EFプロサイクリング)に加え、ティス・ベノート(チームサンウェブ)にシャフマンらが顔を揃える。そして独走態勢となるキンターナの背後では、総合優勝を巡るバトルが勃発する。シャフマンから僅か36秒遅れのべノートは逆転を狙い、アタックを敢行する。
べノートは順調にタイム差を広げていくが、シャフマンも追走のイギータに食らいつくことで踏ん張る。キンターナが余裕で今シーズン3勝目を挙げると、べノートはそのまま2位でゴール、シャフマンを待つ。ピノーがステージ3位、イギータ、ニーバリと順にゴールし、それに2秒遅れでシャフマンがゴール、タイムロスを12秒に抑え総合優勝を決めた。ゴールと共に地面に崩れ落ちるシャフマン、総合優勝というモチベーションで耐え抜き最高の結果を残した。
「きつかった!見ただろ、今日はうちの3人、パトリック・コンラッド、ミカエル・シュワルツマン、フェリックス・グロブシャルトナーがレースコントロールで素晴らしい仕事をしてくれたんだよ。そして残り3kmは地獄だったね。でもゴールしたら天国が待っていたよ。この脚の痛みには価値があったということだよね。」
「今年ぼくはプロ4年目なんだけど、選手生活最大の勝利になったよ。皆僕が総合系の選手であることに疑問符を持っていたみたいだけど、でも僕は総合系選手になることが目標だったんだよ。こうして最大級のステージレースで勝利出来たことは本当に僕のこれからにとって大きな一歩だと思う。」シャフマンは喜びを爆発させた。
ステージ優勝したキンターナは環境が変わって心機一転、積極的な動きを見せている。「今日みたいな勝ち方をいつも理想としているよ。チームはうまく機能しているからこうして結果が出るんだよ。総合は落車で失ってしまったけど、こうして勝利という結果を残せたことに意義があるよ。この勝利はチーム皆が一丸となった結果だよ。コロナウイルスの問題が世界的になっていき、心配だからコロンビアに一時戻って家族と共に過ごすよ。とにかく感染を広げないためにも、出来る限り隔離などの政策に従うよ。早く終息してくれなければ仕事に戻れないからね。」キンターナは勝利を喜びながら、現在のコロナウイルス問題への対応を口にした。
パリ~ニース第7ステージ
1位 ナイロ・キンターナ(アルケア・サムシック) 4h27’01”
2位 ティス・ベノート(チームサンウェブ) +46”
3位 ティボー・ピノー(グルーパマFDJ) +56”
4位 セルジオ・イギータ(EFプロサイクリング)
5位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(トレック・セガフレド)
6位 マックス・シャッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +58”
7位 ギヨーム・マルティン(コフィディス・ソルーションクレジッツ) +1’19”
8位 タネル・カンゲルト(EFプロサイクリング) +1’22”
9位 ロメイン・バルデ(AG2R) +1’32”
10位 ルディー・モラード(グルーパマFDJ)
パリ~ニース総合順位
1位 マックス・シャッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) 27h14’23”
2位 ティス・ベノート(チームサンウェブ) +18”
3位 セルジオ・イギータ・ガルシア(EFプロサイクリング) +59”
4位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(トレック・セガフレド) +1’16”
5位 ティボー・ピノー(グルーパマFDJ) +1’24”
6位 ナイロ・キンターナ(アルケア・サムシック) +1’30”
7位 ルディー・モラード(グルーパマFDJ) +2’03”
8位 タネル・カンゲルト(EFプロサイクリング) +2’16”
9位 フェリックス・グロスシャルトナー(ボーラ・ハンスグロエ) +3’39”
10位 ソレン・アンデルセン(チームサンウェブ) +4’36”
H.Moulinette