UCIシクロクロス世界戦シリーズ第5戦:砂地獄のコクサイデで格の違いはっきり!世界チャンピオンのファン・デル・ポエルがほぼ最下位からたった一周でリードを奪いそのまま独走!
あまりにも衝撃的すぎる圧巻の走りだった。シクロクロス世界チャンピオンのマシュー・ファン・デル・ポエル(コレンドン・サーカス)今シーズンロードに本格参戦しクラシックを制すなど、圧倒的な存在感で自転車ファンを喜ばせると、ロード選手がようやく休みに入るこの時期に世界チャンピオンとしてそのままシリーズ戦へ参戦し、ここでも「格の違い」を見せつけている。得意としているコクサイデの砂地獄で、圧倒的な馬力ある走りで独走、ワールドカップシリーズを連勝してみせた。
今シーズンUCIシリーズ出走2戦目、当然スタート位置はかなり後方となる。更にスタート直後の第1コーナーでティム・メリエール(コレンドン・サーカス)が落車、巻き込まれはしなかったものの、一度地面に足をつかねばならない状況となる。しかしここからファン・デル・ポエルの爆走が始まる。直線でもコーナーでもお構いなしにオーバーテイクを繰り返し、担ぎ区間でもどんどんと選手を抜いていく。砂地の走りにくい地形でもお構いなしに爆走を続けるとなんと1周目終了時には先頭に追いついてしまう。
今シリーズ開幕3連勝を果たしたイーライ・イザービット(パウエルス・サウザン・ビンゴール)は第4戦でファン・デル・ポエルに屈したが、このレースでも苦戦を強いられる。ファン・デル・ポエルのパワーライドは極めてハイペースであり、それに無理して対応しようとした結果、大きく順位を落としてしまう。
2周回目で先頭に躍り出たファン・デル・ポエルはそのまま独走、ライバルたちを全く寄せ付けない王者の走りを見せ、圧勝で砂地獄のコクサイデを制した。
「間違いなく僕の人生でベストとも言えるオープニングラップだよ。最初のコーナーで落車に引っかかったけど、なんとか遅れを取ることを避けたい一心で加速したんだ。そしてすぐに今日は絶好調だと判断できたんだよ。そしたら2周めに入る段階では2位になっていたからね。あとはもう自分の走りをするだけだったよ。砂地ではそれこそが攻略法なんだよ。」ファン・デル・ポエルは勝利の方程式を解説した。
これで今シーズン出場したシクロクロスはUCIワールドカップシリーズも含めここまで7戦7勝、昨年度からの連勝を33まで伸ばした。「まあいつかは負けるだろ。全部は勝てないよ」総ファン・デル・ポエルは語りながら笑顔を見せた。
2位には今シーズン活躍できていなかったローレンス・スウィーク(パウエルス・サウザン・ビンゴール)が入り、ベルギーチャンピオンのトゥーン・アールツ(テレネット・バロワーズ・ライオンズ)がそれに続いた。これでアールツは年間王者争いでもイザービットに迫った。また第1コーナーで落車し、ダントツの最下位まで順位を下げたメリエールも驚異の追い上げで9位でレースを終えた。
UCIシクロクロスワールドカップ第5戦 コクサイデ
1位 マシュー・ファン・デル・ポエル(コレンドン・サーカス) 59’58”
2位 ローレンス・スウィーク(パウエルス・サウザン・ビンゴール) +25”
3位 トゥーン・アールツ(テレネット・バロワーズ・ライオンズ) +35”
4位 ラース・ファン・デル・ポエル(テレネット・バロワーズ・ライオンズ) +40”
5位 クインテン・ヘルマンス(ワンティ・ゴベール・トルマンス) +50”
6位 コーン・ファン・ケッセル(ワンティ・ゴベール・トルマンス) +1’02”
7位 マルセル・メイセン(コレンドン・サーカス) +1’05”
8位 マイケル・ファントゥーレンハウト(パウエルス・サウザン・ビンゴール) +1’19”
9位 ティム・メリエール(コレンドン・サーカス) +1’28”
10位 トーマス・ピドック(チームウィギンス・レ・コル) +1’33”
H.Moulinette