2020のレースシーンは変わるか?モビスターとロット・ソウダル、バーレーン・マクラーレンはすべてのバイクをディスクブレーキで統一、全チームのメイン機材リスト
2020年度、オリンピックイヤーは、果たして技術革新の年となるのだろうか?長年議論が続いてきたディスクブレーキだが、レースシーンではようやく軽量化と有用性が実用的なレベルまでポリッシュアップされてきたこともあり、モビスターとロット・ソウダル、そしてバーレーン・マクラーレンの3チームはすべてのバイクをディスクで統一することを発表している。エースをサポートするアシストにとっては、エースと同じ機材を使わねば、いざというときに機材を渡せないだけに、エース格が納得してディスクを使用しない限り、チーム全体がディスク化というのは難しかったところだ。しかしまだまだ問題点や懸念もあるため、多くのチームは今年も併用で行くようだ。
そんな中で大きなコンポーネントメーカーのシフトがあった。37年間にわたり、前身のチームからカンパニョーロを使い続けてきたモビスターが、今シーズンからはスラムへとコンポーネントを変えたのだ。昨年度の土砂降りという悪天候のヨークシャーでの世界選手権では、メカトラが相次ぐ中で圧倒的な安定感を誇ったのがスラムだった。
チームは「最先端の技術を導入しているスラムを楽しみにしている。」としており、やはり技術的な部分でのアドバンテージを考えてのこの選択となったようだ。これまでも一貫して主力コンポーネントのシマノを使用してこなかったが、ここへ来てもあえてスラムという選択肢には理由がありそうだ。
今シーズンチームのエースとなるエンリック・マスとアレハンドロ・バルベルデの二人も、スラムの12速、トップ10T のAXSシステムを評価しており、「このシステムは上りでアドバンテージとなる」としているだけに、今シーズンのこの二人の走りには要注目だ。
今シーズンのワールドツアーチームはバーレーン・マクラーレンを含む14チームがシマノを使用、それに対してスラムはモビスターに加えトレック・セガフレドとなる。またワールドツアーへのステップアップを果たしたコフィディス・ソルーションクレジッツ、UAEチームエミレーツに加え、もう一チームすべてのバイクをディスクにすると公表しているロット・ソウダルもカンパニョーロユーザーだ。
選手たちが実力を発揮する上で、機材との相性というのはかなりウェイトが大きい。その意味では選手たちの活躍と共に、その使用機材も注目して見ると、レースがより一層面白くなるだろう。
今シーズン開幕はもうすぐ、ロード新時代の幕開けとなるか。
H.Moulinette