UCIワールドカップシリーズシクロクロス第4戦:新鋭イザービットの連勝を止めたのは、シクロクロス世界チャンピオンのファン・デル・ポエル!今シーズン初参戦で後方スタートも猛追で大逆転

シクロクロスの勢力図は、今シーズンからエリートに参戦してきたイーライ・イザービット(パウエルス・サウザン・ビンゴール)が圧倒的な強さでシリーズを牽引してきた。しかし今シーズンロードで結果を残してきたシクロクロス現世界王者、マシュー・ファン・デル・ポエル(コレンドン・サーカス)がここへきてようやくの参戦、激しいバトルが展開された。

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まず直接対決で優位に立ったのはイザービット、シリーズ順位順でスタートの列が決まるシステムの為、今レースがシリーズ初参戦となるファン・デル・ポエルは後方スタートとなる。抜くのが困難なシクロクロスでは、スタート順が大きくものをいうのだ。しかし世界チャンピオンでもあり、またロードでも結果を残してきた男の速さと技術は格が違った。
イザービット、ミハエル・ファントゥーレンハウト( パウエルス・サウザン・ビンゴール)、ラース・ファン・デル・ハール(テレネット・フィデア・ライオンズ)らは、後方から迫るファン・デル・ポエルの圧力を感じながらかなりのハイペースで突き進む。しかしじわじわと順位を上げてくるファン・デル・ポエルの速さは手の付けようがなかった。

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レース終盤に先頭集団に追いつくと、そのまま仕掛けていく。7周回目に入りファン・デル・ポエルに対応できたのはイザービット、そしてファン・デル・ハールとファントゥーレンハウトがそれを追う。しかしその更に後ろの追走も大きく離れてはおらず接戦、ワンミスが命取りとなりかねない状況だ。
ファン・デル・ハールは合流すると一気に前に出てペースを作る。トップ3人をファントゥーレンハウトを追う展開で迎えた最終ラップ、シリーズ4連勝を狙うイザービットが飛び出していく。するとファン・デル・ポエルが合流し、ファン・デル・ハールが一気に遅れていく。マッチレースになるかに思われたが、即座にファン・デル・ポエルがアタック、ここでもまた「格」の違いを見せつける。一気に加速すると、最後は余裕をもって力を抜いてのゴール。このシリーズ最初の3戦を欠場したことでシリーズ王者は難しいが、出たレースは徹底して勝つ、というスタンスは昨シーズンから継続中だ。

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イザービットは何とか食らいつきながら同タイムでゴールをしたが、「2位が限界だった」と完敗を認め、改めて世界チャンピオンの破壊力を思い知らされる結果となった。ファン・デル・ハールは3位、ファントゥーレンハウトが4位に入った。
UCIワールドカップシリーズシクロクロス第4戦 タボール
1位 マシュー・ファン・デル・ポエル(コレンドン・サーカス) 1h01’56”
2位 イーライ・イザービット(マーラックス・ビンゴール) +12”
3位 ラース・ファン・デル・ハール(テレネット・フィデア・ライオンズ) +12”
4位 ミカエル・ファントゥーレンハウト(マーラックス・ビンゴール) +42”
5位 トゥーン・アールツ(テレネット・フィデア・ライオンズ) +1’00”
6位 コーン・ファン・ケッセル(テレネット・フィデア・ライオンズ) +1’10”
7位 クインテン・ヘルマンス(テレネット・フィデア・ライオンズ) +1’14”
8位 ティム・メリエール(パウエルス・サウザン・ビンゴール) +1’17”
9位 ローレンス・スウィーク(パウエルス・サウザン・ビンゴール) +1’22”
10位 イェンス・アダムス(パウエルス・サウザン・ビンゴール) +1’32”
H.Moulinette