ワールドツアーチームのディメンション・データがNTTプロサイクリングに!日本母体企業が久しぶりの冠スポンサーに!過去には日立や東芝、パナソニックもメインスポンサーに
ASOのオフィシャルパートナーでもあるNTTディメンション・データ、そのディメンションデータがメインスポンサーを務めてきたチームの名称が変わる。以前より話題にはなっていたが、チーム名はNTTプロサイクリング、およそ20年ぶりに日本企業が冠スポンサーとなるチームが誕生するのだ。
今現在NTTはツール・ド・フランスや世界最大の自動車ラリーでもあるダカールラリーなど、多くのスポーツを主宰するASOとパートナー契約を結んでいる。NTTは海外の多くの企業を傘下に収め、NTTリミテッドとして幅広い経営をしているのだが、今回はその母体企業として自らの企業名、NTTを冠スポンサーとすることとなった。
前身のチームはMTNキュベカとして、アフリカ初のワールドツアーチームとして2013年に誕生、自転車普及活動を行うキュベカ基金を中心として活動してきた。2016年にはNTTディメンション・データがメインスポンサーとなったが、そのNTTディメンション・データのNTTリミテッドへ再編されることに伴い、チーム名が変わることとなった。ただしあくまでもグローバル企業としてのスポンサードであり、日本企業が単独でメインスポンサーになるという形ではない。その為、スポンサー意向による日本人選手の獲得などは現在の段階では行わない。あくまでも世界企業としてNTTが冠スポンサーとして世界の大舞台に挑むのだ。
過去にも日本が母体の企業がメインスポンサーとなったことはある。例えば東芝や日立といったメーカーはメインスポンサーを務めたことが在る。しかしこの場合もNTT同様であり、日本企業としてメインスポンサーとなったのではなく、あくまでも東芝や日立のヨーロッパ法人がスポンサーになった形なのだ。また機材スポンサーではパナソニックはフレーム供給をトップチームに行い結果を残し、言わずと知れたシマノはコンポーネントメーカーとして世界の大舞台でもはや敵なしの状態でもある。
様々なデータ計測や提供などを行うNTTグループ、今回もその流れの一環としての参入であり、企業としてのPRや実践の場でのデータ提供といった目的は明確である。そんな企業が更なる発展と成長の一つの舞台として選んだプロサイクリング界で、果たしてどのような活躍を見せてくれるのか、楽しみだ。
「所属選手はNTTとNTTプロサイクリング独自のデータのより選出されたメンバーだ。最先端のデータを駆使し、選手選定からスケジュール管理、どの選手はどのレースに向いているなどの傾向と対策までをすべてシステマチックに行っていく。」そう語るチームは、今シーズンからヴィクトル・カンペーナールツ(ロット・ソウダル)、カルロス・バルベロ(モビスター)、マックス・ワルシェイド(チームサンウェブ)、ミカエル・ゴグル(トレック・セガフレド)、ディラン・サンダーランド(チームブリッジレーン)らを獲得、チームのエーススプリンターのマーク・カベンディッシュは移籍したものの、ルイス・メインチェス、ベン・キング、ジャコモ・ニッツォーロ、ベン・オ・コナーなどの主力は残留、結果を求めて今シーズンを走ることとなる。
「目指すはワールドツアーチーム内でトップ10、とすでに目標を明確にしており、どれだけの勝利数を積み重ねることができるかに期待がかかる。過去数年は主力選手の怪我などが相次ぎ苦しいシーズンを送ってきたが、2020年度もワールドツアーライセンスを確保できたことで、はっきりとしたビジョンを掲げての挑戦となる。
「今まで通り、アフリカの子供たちが遠くまで歩いて学校に通わなくてもいいように自転車の普及活動をキュベカ基金として活動を続けるとともに、世界最先端、最高峰のデータ解析を武器にアフリカから世界に挑戦し続けるよ。」チームマネージャーのダグ・ライダーは力強く宣言した。
H.Moulinette