UCIシクロクロスワールドカップ第3戦:ヨーロッパ開幕戦のベルンを制したのはまたしてもイザービット、これで開幕3連勝!ロードで躍進のファン・デル・ポエル復帰前に勝利量産

シクロクロスの世界が開幕し、アメリカ大陸からヨーロッパに戻った最初のレース、ここでも今シーズンエリート初挑戦の21才イーライ・イザービット(パウエルス・サウザン・ビンゴール)が圧倒的な力の差を見せつけた。過去2戦2位に甘んじたトゥーン・アールツ(テレネット・フィデア)はここでもイザービットの前に屈し、3戦連続で2位となった。11月には今シーズンロードシーンで大暴れをしたマシュー・ファン・デル・ポエル(コレンドン・サーカス)がシクロクロスにも参戦してくるだけに、アールツとしてはその覇権を握っておきたが、新星に完全にそのポジションを奪われた形だ。

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このレースでもスタートからイザービットが攻める。ひときわ小柄な男が、小さめのフレームサイズのバイクにまたがり疾走する。序盤はベルギーのロードチャンピオンにもなったティム・メリエール( )が対応するが、脱落してしまう。すると合流したのは、ミカエル・ファントゥーレンハウト(パウエルス・サウザン・ビンゴール)、クインテン・ヘルマンス(テレネット・フィデア・ライオンズ)、そして元祖小さな巨人のラース・ファン・デル・ハール(テレネット・フィデア・ライオンズ)、さらにはスタートから大きく遅れて順位を落としていたアールツも合流する。
イザービットは何度となくバイク交換を行い、レース中にコースに適したセットアップを模索する余裕を見せる。チームメイトのファントゥーレンハウトがその間イザービットをアシストし続けると、イザービットはぴったりのタイヤプレッシャーを見極め、一気に仕掛ける。最後まで粘ったアールツも脱落、そして最終盤にはファントゥーレンハウトが単独で2位を狙うが、アールツも意地でそこはねじ伏せた。

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「サッカーではハットトリック決めたことあるけど、シクロクロスでは初めてだね。僕の周回が誤表示されていたみたいで、一周勘違いしたよ。なのでゴール時もよくわからなかったんだ。でも沿道の観衆の声で気づいたんだ。あと一周走るつもりだったから、まだ余裕があったけど、代わりにゴールでのパフォーマンスが出来なかったね。」イザービットは余裕を見せた。

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対してまたしても2位に沈んだアールツは、「イザービットが強すぎるんだよ。スーパーステージ(ベルギー国内線シリーズ)では勝利したから良しとするよ。正直スタートで出遅れたし、イザービットとファントゥーレンハウトが連携している間、必死で追走をするしかなかったから力を使い果たしたよ。僕もヘルマンスがチームメイトとしてサポートしてくれたから何とかなったよ。でも彼もシーズン中に移籍してしまうからね。」と語った。
シクロクロスではシーズン途中で年度をまたぐため、シーズン中の1月に移籍やチームスポンサーが変わることが在る。これもまたシクロクロス、シーズン途中での選手や機材の変更もまた見どころなのだ。

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UCIシクロクロスワールドカップ第3戦ベルン
1位 イーライ・イザービット(パウエルス・サウザン・ビンゴール) 1h01’26”
2位 トゥーン・アールツ(テレネット・フィデア) +35”
3位 ミカエル・ファントゥーレンハウト(パウエルス・サウザン・ビンゴール) +44”
4位 クインテン・ヘルマンス(テレネット・フィデア・ライオンズ) +52”
5位 コーン・ファン・ケッセル(テレネット・フィデア・ライオンズ) +1’01”
6位 ラース・ファン・デル・ハール(テレネット・フィデア・ライオンズ) +1’02”
7位 ティム・メリエール(コレンドン・サーカス +1’15”
8位 ローレンス・スウィーク(パウエルス・サウザン・ビンゴール) +1’20”
9位 ジョリス・ニウエンハウス(チームサンウェブ) +1’23”
10位 ダーン・ソート(パウエルス・サウザン・ビンゴール) +1’38”
H.Moulinette