世界選手権2019個人TT:所属チームのバイクを使用拒否してマイバイク使用のデニスが世界選手権連覇!成長株の19才イヴェネプールが銀メダル獲得!ガンナが銅メダル


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ヨークシャーで行われている世界選手権個人TTは、昨年度の覇者ローハン・デニス(オーストラリア)が圧倒的な速さで大会連覇を達成した。しかしながらツール・ド・フランス第12ステージ、個人TT直前で突如としてリタイアをし、所属チームのバーレーン・メリダとの関係がこじれていたデニスは、チームバイクであるメリダのタイムワープTTを使用せず、黒塗り仕様にした昨年度所属チームバイク、BMCのタイムマシンTTで出走しての勝利に、様々な憶測が飛び交っている。それでも後続に1分以上の大差をつけての勝利、デニスのTT能力は圧倒的な存在感を放っている。
ルール上全く問題はないが、過去に所属チーム以外のバイクを使用し、所属チームとトラブルになった選手もおり、今回の結果の行く末は気になるところだが、デニスはいたって冷静だ。

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「オーストラリアナショナルチームとして、このバイクが僕にベストだと判断したんだよ。ここへは結果を求めてきているし、そのためには最高のポジションとフィット感、マシンとの一体感が必要だったんだ。僕は2007年のジュニアでナショナルチーム入りしてから、ずっとこの課題と向き合ってきたんだ。そしてベストが今のこのマシンなんだよ。」
「バーレーン・メリダとのトラブル?別にないよ。国の代表のほうが、所属チームより優先されるのが世界選手権だろ。何か聞きたいことはバーレーン・メリダに直接聞いてみてくれればいいよ。」デニスは今回の使用は全く問題ないのだということを強調した。
そんな大会連覇を果たしたデニスに最も迫ったのは、10代の選手として個人TT史上初の表彰台獲得となったレムコ・イヴェネプール(ベルギー)だった。2017年度まではサッカー選手だったが、けがの影響で自転車に転向、今シーズンはドゥクーニンク・クイックステップに加入すると、ベルギーツアーで初勝利に続き、初出場のクラシックレース、クラシカ・サン・セバスチャンでいきなりのクラシック制覇、さらにヨーロッパ選手権個人TTでも勝利し、優勝候補として世界選手権に乗り込んできた。惜しくも優勝こそ逃したが、銀メダルを獲得しそのポテンシャルの高さを見せつけた。
銅メダルを獲得したのはフィリッポ・ガンナ(イタリア)、チームイネオスに所属しながらトラックとロードレースの二刀流で活躍する23才は、イタリア個人TTチャンピオンとして世界選手権に挑み、僅差でパトリック・べヴィン(ニュージーランド)とアレックス・ダウセット(イギリス)を抑えての3位表彰台獲得となった。

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世界選手権2019 個人TT
金メダル ローハン・デニス(オーストラリア) 1h05’05”
銀メダル レムコ・イヴェネプール(ベルギー) +1’08”
銅メダル フィリッポ・ガンナ(イタリア) +1’55”
4位 パトリック・べヴィン(ニュージーランド) +1’57”
5位 アレックス・ダウセット(イギリス) +2’01”
6位 ローソン・クラドック(アメリカ) +2’07”
7位 タネル・カンゲルト(エストニア)
8位 ネルソン・オリベイラ(ポルトガル) +2’09”
9位 トニーマルティン(ドイツ) +2’27”
10位 ステファン・キュング(スイス) +2’46”
H.Moulinette