ブエルタ・ア・エスパーニャ第14ステージ:総合勢がゴール前1kmで落車も無事ゴール、水を差されたスプリントステージはベネットが余裕の勝利も逃げ切りがあったのか分からずガッツポーズ無し

なんでもないステージも時には一瞬で肝を冷やす光景となることが在る。ゴール前1kmで雪崩的に発生した落車により、総合3位で昨日の覇者タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)、総合リーダーのプリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ)、さらには総合2位の世界チャンピオンアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)らが 巻き込まれたが、バルベルデとポガチャルは転倒したがログリッチは転倒することなく難を逃れ、幸いなことに総合勢は無事だった。そんなステージは難を逃れた一部の選手たちによる勝負の末、今大会既に勝利を挙げているサム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ)が大会2勝目を挙げた。

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ゴール前1kmで発生した落車が進路をふさぎ、難を逃れた一握りの選手たちのバトルとなる。しかし駆け引きをする間もなくトッシュ・ファン・デル・サンド(ロット・ソウダル)が残り500mで飛び出していく。慌てて反応したのはマキシミリアーノ・リケーゼ(ドゥクーニンク・クイックステップとベネット、そのまま3人の追いかけっこ状態でゴールへと向かう。リケーゼは結果的にベネットの勝利をアシストする形となり、すんなりと先頭に躍り出たベネットはそのまま勝利した。
「集団先頭まで上がったのが残り6kmほどでだったので、逃げのメンバーが逃げ切っていたかが分からなかったんで、ガッツポーズしなかったんだよ。以前確認をしないで派手にガッツポーズして恥ずかしい思いをしたからね。」ベネットはゴール後まで勝利に確信しなかったことを口にした。

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「運も持ち合わせていないといけないんだよ。こういう早くてクレイジーなスプリントステージではこういうことは起きうるんだよ。僕は落車はしなかったけど、ペダルは外したからね。誰も落車なんてしたくないしね。総合勢はスプリント勝負するわけではなくリスク回避のために位置取りするんだけど、こういうことが在るからね。リスクをできるだけ回避するのが僕らの重要な仕事でもあるからね。」ログリッチは冷静に状況を語った。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第14ステージ
1位 サム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ) 44h28’46”
2位 マキシミリアーノ・リケーゼ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
3位 トッシュ・ファン・デル・サンド(ロット・ソウダル)
4位 マルク・サラウ(グルーパマFDJ)
5位 クレメント・ヴェンチュリーニ(AG2R)
6位 マルコ・ソレル(モビスター)
7位 ヨナス・コッホ(CCC)
8位 ジョン・デゲンコルブ(トレック・セガフレド)
9位 マキシミリアン・ワルシェイド(チームサンウェブ)
10位 スジモン・サノック(CCC)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 プリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ) 53h49’14”
2位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) +2’25”
3位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) +3’01”
4位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ) +3’18”
5位 ナイロ・キンターナ(モビスター) +3’33”
6位 ラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグロエ) +6’15”
7位 ニコラス・エデ(コフィディス・ソルーションクレジッツ) +7’18”
8位 カール・フレドリック・ヘーゲン(ロット・ソウダル) +7’33”
9位 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ) +7’39”
10位 ディラン・テウンス(バーレーン・メリダ) +9’58”
H.Moulinette