ブエルタ・ア・エスパーニャ第13ステージ:超激坂のオンパレードで総合勢バトル勃発!ポガチャルがステージ2勝目で総合3位に!ログリッチはステージ2位で首位盤石

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クラシックどころではないブエルタの激坂のオンパレードは、総合勢を大きく揺さぶるには十分だった。4強に割って入ってきたタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)が今大会2勝目を飾るとともに、総合でも一気に3位までジャンプアップ、さらには新人賞ジャージもルイ・アンヘル・ロペス(アスタナ)から奪い去った。

あまりの激坂に、逃げのメンバーは蛇行をしながら必死に堪える。勾配20%越えは当たり前、コーナーの内側では勾配が30%を超える激坂は外側でも勾配27%とというきつさ、そんな激坂で総合勢は一気にペースを上げお互いの体力を削りあう。アスタナがペースアップを図り、総合系選手たちのアシストは削られていく。

©Vuelta

しかしその攻めの姿勢も激坂の前では空回りに終わる。すると今度はナイロ・キンターナ(モビスター)が一気にペースを上げる。だが総合リーダージャージのログリッチが残り3kmでアタックを決めると、それに反応できたのは同じくスロベニア出身のポガチャルだけだった。ロペスは大きく脱落、しかしアレハンドロ・バルベルデとキンターナのモビスターコンビはなんとかタイムロスを抑えながら自分たちのペースで上り続ける。

最後まで粘り続けたピエール・ラトゥール(AG2R)だったが、、ログリッチとポガチャルの速さにはついていけず、追いつかれたとたんに置き去りにされてしまう。そして最後の頂上を越えゴールまで僅かなテクニカルな下りで競い合ったポガチャルとログリッチだったが、最後はポガチャルが今大会2勝目を挙げた。ログリッチはいつも通り表情一つ変えずにそのまま2位でゴール、これでまたしてもライバルたちにタイム差をつけた。

キンターナとバルベルデはタイム差を抑え、27秒差でゴール、ダメージを最小限に抑えたが、チームは違えどお互い尊敬関係にあるスロベニアコンビのポガチャルとログリッチのタッグには今後とも苦戦を強いられそうだ。そしてこのステージで犠牲となったのはロペス、1分のタイムロスとなり苦しい状況となっている。

©Vuelta

「正直この激坂をどんな感じで迎えられるかは分からなかったんだよ。でもとにかく頭の中にあったのは、”遅れたくない”だったんだ。第7ステージで何とか踏みとどまり、これ以上タイムロスをしたくなかったんだ。ただその思いだったね。でも結果的にはそれどころか勝利出来たから最高だね。無線でログリッチと僕しかいないと聞いたんで、これはチャンスだと思ったんだよ。でもログリッチを振り落とすのは難しいとは思ったから、そこはそのまま走り続けたんだ。スロベニアはクライマー大国かって?そんなのよくわからないよ。」

「ログリッチと僕は目的が違うんだよ。ログリッチは総合優勝を狙い、ぼくは一つでも高い順位を狙いたいんだ。今のところ僕は彼にとって脅威ではないはずだよ。今日は協調できたしね。でもマドリッドの向けては直接対決することになるかもね。僕らはよく知った仲だし、彼は選手としてだけでなく人としても尊敬に値する人物なんだよ。だから最終的には彼の隣で表彰台にいれたらいいね。」まだ二十歳のポガチャルは初めて出場のグランツールで一気に総合争いをする存在となっている。

総合中にはこれでログリッチがさらにリードを広げ、2位のバルベルデとの差が2分25秒差にまで開いた。そしてポガチャルはそのバルベルデに36秒差に迫っている。

ブエルタ・ア・エスパーニャ第12ステージ
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)   4h28’26”
2位 プリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ)
3位 ピエール・ラトゥール(AG2R)   +27”
4位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)
5位 ナイロ・キンターナ(モビスター)
6位 ラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグロエ)
7位 ルイス・アンヘル・ロペス(アスタナ)   +1’01”
8位 ジャンルーカ・ブランビッラ(トレック・セガフレド)   +1’08”
9位 マルク・ソレル(モビスター)
10位 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ)

ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 プリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ)   49h20’28”
2位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)   +2’25”
3位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)   +3’01”
4位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ)  +3’18”
5位 ナイロ・キンターナ(モビスター)   +3’33”
6位 ラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグロエ)   +6’15”
7位 ニコラス・エデ(コフィディス・ソルーションクレジッツ)   +7’18”
8位 カール・フレドリック・ヘーゲン(ロット・ソウダル)   +7’33”
9位 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ)   +7’39”
10位 ディラン・テウンス(バーレーン・メリダ)  +9’58”

H.Moulinette