ブエルタ・ア・エスパーニャ第12ステージ:クラシックハンターのジルベールが通算ブエルタ6勝目、グランツール通算10勝目の勝利!

厳しいアップダウンが選手たちを苦しめた第12ステージ、まるでクラシックのようなそのコースを制したのは、逃げ集団から飛び出して行ったフィリップ・ジルベール(ドゥクーニンク・クイックステップ)だった。これでブエルタ・ア・エスパーニャステージ6勝目、そしてグランツール通算10勝目のステージ勝利となった。
来シーズンの移籍が決まっている元世界チャンピオンのジルベールは、間違いなくこのステージでの勝利を狙いすましていた。ツール・ド・フランスのメンバー入りから外れたことで、不満を口にしていたジルベールだったが、出場したこのグランツ―ルで確実に勝利を獲得、その脚力も脚質も一切の衰えがないことを示した。
この日は18名の逃げが容認され、ジャンボ・ヴィズマが集団をコントロールしていく。最後の急こう配の上り、沿道を観客が埋め尽くす中でジルベールが仕掛けた。いつもながらの激坂でのアタックに、アレクサンダー・アランブル(カハルーラル・セグロスRGA)、そしてフェルナンド・バルセロ(エウスカディ・バスクカントリー・ムリアス)は全くついていく事が出来ない。

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頂上を越えてテクニカルな下りに入っても、ジルベールは時速80km近い速度で逃げ続ける。アランブルとバルセロは僅かなチャンスにかけて猛追をすると、徐々にその差が縮まり始める。残り1km、目の前に見えたジルベールの背中に、二人がお互い顔を見合わせてしまった。そこまでの協調体制が一瞬ゆるんだ事は、そのまま致命的となる。
これでジルベールは勝利を確信、ガッツポーズで10勝目を表しながらのゴールとなった。僅差のスプリントはアランブルが制しステージ2位、バルセロが3位となった

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「二桁10勝目って響きもいいだろ。今日は完全にクラシックのようだったよ。沿道の応援もモチベーションをくれたよ。バスクでは多くのレースをしてきたけど、結果を出せていなかったからね。バスクはフランダース地方みたいで、サイクリング熱も高く最高の地だよ。今日は逃げに決まるまでが大変だったね。結構いいクライマーが逃げに乗ったんで、勝利は難しいかと思ったよ。だから知能的に攻めることにしたんだよ。でもそれにはチームメイトのデクレルクの存在が大きかったよ。今日の勝利は彼のものでもあるよ。」ジルベールは笑顔で語った。

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総合勢は激坂で新人賞ジャージのルイス・アンヘル・ロペス(アスタナ)が動きを見せるもマイヨロホを着用するプリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ)がキッチリとマーク、このステージでの不用意なタイムロスを防いだ。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第12ステージ
1位 フィリップ・ジルベール(ドゥクーニンク・クイックステップ) 3h48’18”
2位 アレクサンダー・アランブル(カハルーラル・セグロスRGA) +03”
3位 フェルナンド・バルセロ(エウスカディ・バスクカントリー・ムリアス)
4位 ホセ・ロハス(モビスター) +22”
5位 ニキアス・アルント(チームサンウェブ) +26”
6位 トッシュ・ファン・デル・サンド(ロット・ソウダル) +29”
7位 シリル・バース(エウスカディ・バスクカントリー・ムリアス)
8位 マニュエル・ボアロ(アスタナ)
9位 ティム・デクレルク(ドゥクーニンク・クイックステップ)
10位 ヴァレリオ・コンティ(UAEチームエミレーツ) +31”
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 プリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ) 44h52’08”
2位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) +1’52”
3位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ) +2’11”
4位 ナイロ・キンターナ(モビスター) +3’00”
5位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) +3’05”
6位 カール・フレドリック・ヘーゲン(ロット・ソウダル) +4’59”
7位 ラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグロエ) +5’42”
8位 ニコラス・エデ(コフィディス・ソルーションクレジッツ) +5’49”
9位 ディラン・テウンス(バーレーン・メリダ) +6’07”
10位 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ) +6’25”
H.Moulinette