ブエルタ・ア・エスパーニャ第10ステージ個人TT:4強変わらずもステージ優勝のログリッチが一歩リード!総合2位にジャンプアップのバルベルデにおよそ2分差に
今大会の総合を占ううえで非常に重要な個人TTは戦前の予想通り4強の一角、プリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ)が圧倒的な速さで制した。これで総合でも一気にリーダーに躍り出たが、「10分差あってもリードは足りない」と語るなど、勝って兜の緒を締めた。
このステージで圧倒的に有利と言われていたログリッチに対し、ライバルたちはこのステージ前までにタイム差をつけたいところだったが、ログリッチの粘りの走りと、ジロで学んだペース配分などもあり、脱落させるには至らなかった。そして迎えたこのステージ、4強の残り3人、アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)、ナイロ・キンターナ(モビスター)、そしてルイス・アンヘル・ロペス(アスタナ)がいかにタイムロスをしないかに注目が集まった。キンターナもロペスもTTは不得意であり、どこまでタイムロスを抑えられるかによって今後の戦略が変わるとあり、チーム関係者も固唾をのんで見守った。
結果はバルベルデがステージ13位、1分38秒差で踏みとどまった。これで1分52秒差の総合2位へとジャンプアップ、モビスター内でのどちらがエースかという譲り合いは、バルベルデとなりそうだ。ロペスはバルベルデに続く総合14位ながらも、ログリッチから2分遅れてしまう。そしてキンターナはステージ36位、3分6秒も遅れる形となってしまった。これでロペスとキンターナはそれぞれ総合3位、4位となった。
「最悪だよ。2分以内に抑えたかったんだけど、結局3分だよ。これでもう仕掛けるしかなくなったよ。」キンターナは敗北に肩を落とした。
対して総合5位につけていたタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)が、ステージ11位に入ったことで、一気にキンターナまで僅か5秒差に詰め寄り、総合表彰台が視野の先に見えてきた形だ。「母国のTTジャージを着てグランツールを走るのは夢だったんだよ。総合は正直まだまだ先の事、今は日々之精進、毎日のステージに専念していくよ。」ポガチャルは浮かれることなく語った。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第10ステージ
1位 プリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ) 47’05”
2位 パトリック・べヴィン(CCC) +25”
3位 レミ・カバーニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +27”
4位 ローソン・クラドック(EFエデュケーション・ファースト) +48”
5位 ネルソン・オリベイラ(モビスター) +1’02”
6位 ピエール・ラトゥール(AG2R) +1’14”
7位 トーマス・デ・ヘント(ロット・ソウダル) +1’21”
8位 マルク・ソレル(モビスター) +1’22”
9位 ディラン・テウンス(バーレーン・メリダ) +1’27”
10位 ダニエル・マルチネス(EFエデュケーション・ファースト) +1’28”
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 プリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ) 36h05’29”
2位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) +1’52”
3位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ) +2’11”
4位 ナイロ・キンターナ(モビスター) +3’00”
5位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) +3’05”
6位 カール・フレドリック・ヘーゲン(ロット・ソウダル) +4’59”
7位 ラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグロエ) +5’42”
8位 ニコラス・エデ(コフィディス・ソルーションクレジッツ) +5’49”
9位 ディラン・テウンス(バーレーン・メリダ) +6’07”
10位 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ) +6’25”
H.Moulinette