ブエルタ・ア・エスパーニャ第5ステージ:マドラゾが頂上ゴール制す!総合でも大きな動き!ロペスが渾身のアタックでマイヨロホ返り咲き!バルベルデとログリッチがそれを追随

ブエルタ・ア・エスパーニャは第5ステージで早くも総合争いが絞られ始めた。大戦国時代ともいえるほど混沌としている総合優勝争いの中で、自ら仕掛けて一歩抜け出したのはミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ)、初日のチームTT以来のマイヨ・ロホ返り咲きとなった。そんなステージを制したのはアンヘル・マドラズ(ブルゴスBH)、チームメイトのジェッツ・ボル(ブルゴスBH)と共にワン・ツーを達成した。

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プロコンチネンタルチームにとってはグランツールはスポンサーに向けた最高のアピールの場でありその所属選手にとっては自らをワールドツアーチームへ売り込むための場でもある。山岳頂上ゴールとなった第5ステージ、マドラゾの動きはあまりにもジェットコースターのようだった。残り24kmで粟屋所属チームのチームカーによって落車されそうになるハプニングに始まり、先頭3人で迎えた最後の上りのは入り口ではあっという間に置き去りにされた。
ゴールまで4kmを切り、マドラゾの姿はどこにもない状況だったが、しかしゴールまでの残り距離が僅か1kmほどとなるととなり、突然自分を置き去りにしたホセ・エラダ(コフィディス・ソルーションクレジッツ)とボルに追いつく。すると今度はそのままペースアップを図り残り700mでは渾身のアタック、ボルとエラダを置き去りにする。これで勝負あり、マドラゾが見事ステージ優勝を飾り、そして2位ゴールのボルも満面の笑みでガッツポーズを決めた。ブルゴスBHにとっては極めて大きなステージ勝利となった。

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「夢のようだよ!今シーズンは序盤からチームが出場停止になったり我慢の日々だった。最後の上りではエラダのペースに全くついていけなかったのは本当なんだ。だからマイペースで上ったんだ。ボルをサポートしたかったんだよね。それにチームも明日以降の為に無理をするなと言ってきたんだ。でもエラダとボルに追いついてみたら、予想以上に二人が疲弊していたんで、そのまま仕掛けたんだ。」31歳の中堅マドラゾは興奮気味に語った。

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その背後では総合バトルが勃発した。残り3kmでロペスがばらけ始めた総合系の小集団からアタック、そのまま独走態勢へと持ち込む。それを追走したのはアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)とプロモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ)だった。生粋のクライマーではないログリッチはマイペース走法、無理することなく上り続けた。
それに対してナイロ・キンターナ(モビスター)とエステバン・チャベス(ミッチェルトン・スコット)、さらにはセップ・クス(ジャンボ・ヴィズマ)らは遅れを取りながらもなんとかタイム差が広がりすぎるのをこらえてゴールした。
これで総合は大きく動き、ロペスが再びマイヨロホに袖を通した。ログリッチは総合2位へとジャンプアップ、キンターナが3位へ順位を落とし、バルベルデが4位と順位を上げた。昨日までの総合リーダーニコラス・ロッシュ(チームサンウェブ)は総合5位に踏みとどまった。

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「上りはじめは少しペースが早かったんだけど、何とかなったね。あとはタイミングを待って自分で仕掛けたよ。ライバルたちも散り散りになっていたし、その時点でログリッチとバルベルデしか残っていなかったから、彼らがそんな反応をするか見たかったんだ。脚があるときは魅せる走りをしたいんだよ。あとは一人になったんで、最後まで距離を維持し続けるだけだったよ。こういうところでの数秒が、後後大きくものをいうケースがあるから、今日の結果には大満足だよ。」ロペスはジロ同様に、魅せる走りで観客を熱狂させた。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第5ステージ
1位 アンヘル・マドラゾ(ブルゴスBH) 4h58’31”
2位 ジェッツ・ボル(ブルゴスBH) +10”
3位 ホセ・エラダ(コフィディス・ソルーションクレジッツ) +22”
4位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ) +47”
5位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) ∔59”
6位 プロモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ)
7位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) +1’29”
8位 ナイロ・キンターナ(モビスター) +1’41”
9位 セップ・クス(ジャンボ・ヴィズマ)
10位 エステバン・チャベス(ミッチェルトン・スコット) +1’46”
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ) 18h55’21”
2位 プリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ) +14”
3位 ナイロ・キンターナ(モビスター) +23”
4位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) +28”
5位 ニコラス・ロッシュ(チームサンウェブ) +57”
6位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーション・ファースト) +59”
7位 エステバン・チャベス(ミッチェルトン・スコット) +1’17”
8位 ラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグロエ) +1’18”
9位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) +1’49”
10位 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ) +1’50”
H.Moulinette