ブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージ:僅差のスプリントをセンチ差で制したのはヤコブセン!クイックステップの見事な作戦で追いすがるベネットを振り切る!クライズワイクはリタイア
ゴールスプリント勝負というものは、ロードレースがチームスポーツであることを最も感じられる瞬間の一つでもある。チームワークの賜物ともいえるそんなスプリント勝利をつかんだのは個性派集団のドゥクーニンク・クイックステップ、鮮やかなチームワークで新たな才能ファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ)がグランツール初勝利をつかんだ。
残り5.7km、アシストをするかに思われたレミ・カバーニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が飛び出していく。メイン集団先頭に陣取るクイックステップはそれを悠々と見送ると、ライバルチームのアシストたちは、脚を使ってでもそれを追わざるを得ない状況となる。全く脚を使うことなくアシストを温存できたドゥクーニンク・クイックステップに対して、ライバルチームは完全に後手後手となる。
残り1.2km、機を見据えたかのようにカバ―ニャが捕まると、残り1kmからついにドゥクーニンク・クイックステップトレインのエンジンが全開となる。マキシミリアーノ・リケーゼ(ドゥクーニンク・クイックステップトレイン)が完璧なリードアウトを見せると、残り150mでヤコブセンが飛び出していく。
しかしその背後に不気味に陣取っていたサム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ)も素晴らしいパワーで加速、一気にヤコブセンに迫る。最後はお互いにバイクを投げ出しての決着、写真判定の結果僅か1㎝程の差でヤコブセンが逃げ切り勝利を決めた
「チームメイトが喜んでいるのを見て松露したことが分かったんだよ。バイクを投げ出したんだけど、その瞬間目をつぶっちゃってわかんなかったんだよ。ベネットが近くにいたのはわかっていたんだけどね。とにかく勝利出来てよかったよ。僕らは強いチームであることを証明したかったんだ。リケーゼのアシストも完ぺきだったよ!」グランツール初勝利を挙げたヤコブセンは、喜びよりも驚きの表情を隠せなかった。
そしてこのステージでは、スティーブン・クライズワイク(ジャンボ・ヴィズマ)がリタイアとなった。プリモズ・ログリッチと共にダブルエースとして、また場合によってはアシストもできる男は第1ステージのチームTTでの落車の影響が予想以上に大きく、膝の怪我の影響もあり思ったように走ることができないとして、この段階でのリタイアを決めた。チームにとっては大きな痛手、代わりにジョージ・ベネットがサブエース兼エースアシストとなりそうだ。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージ
1位 ファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ) 4h04’16”
2位 サム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ)
3位 フェルナンド・ガヴィリア(UAEチームエミレーツ)
4位 ルーカ・メズゲック(ミッチェルトン・スコット)
5位 マーク・サラウ(グルーパマFDJ)
6位 シュモン・サイノク(CCC)
7位 エドヴァルド・ボアッソン・ハーゲン(ディメンション・データ)
8位 ヨン・アベラツリ・イザガ(カハルーラル・セグロスRGA)
9位 クレメント・ヴェンチュリーニ(AG2R)
10位 マキシミリアーノ・リケーゼ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 ニコラス・ロッシュ(チームサンウェブ) 13h55’30”
2位 ナイロ・キンターナ(モビスター) +02”
3位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーション・ファースト) +08”
4位 ミケル・ニエベ(ミッチェルトン・スコット) +22”
5位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ) +33”
6位 プリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ) +36”
7位 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ) +38”
8位 セルジオ・アンドレス(EFエデュケーション・ファースト) +40”
9位 ダビデ・フォルモロ(ボーラ・ハンスグロエ) +46”
10位 ラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグロエ)
H.Moulinette