ブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージ:”来シーズンの契約がまだ”とぼやきのサム・ベネットが快心のスプリント勝利!チームイネオスは総合狙い断念を宣言し今後はステージ狙いに
ブエルタでは数少ないスプリントステージ、各チームのエーススプリンターが勝利を狙う中で、完璧な御膳立てなく、自力でゴール前を力でねじ伏せたのはサム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ)だった。来年度の契約がまだまとまらないことをぼやいていた男が、その馬力と勝負勘を見せつけまた一歩契約に前進したかもしれない。
スプリント勝負の為に各チームが隊列を組む中、最高のチームワークを見せたのはトレック・セガフレドだった。なんとジョン・デゲンコルブ(トレック・セガフレド)をアシストに使いエドワード・テウンス(トレック・セガフレド)を発射しようとする。しかしそれよりも一瞬早く、残り200mでその背後からベネットが加速する。懸命に加速するライバルたちを尻目に、圧倒的な力の差を見せつけた。ゴールラインではガッツポーズ、そしてその後も余裕の笑顔でインタビューに答えた。
「サンウェブが進路をふさいで、僕らのトレインがスピードを失ってしまったんだよ。うちのチームメイトがそこで進路を切り開いたんだけど、また抑え込まれてしまったから、その瞬間にトレックのタイレルに飛び乗ったんだよ。やれやれだよ。昨日は脚の調子が最悪だったからね。これでまたグランツールで勝利をあげられたね。それをこのアイルランドチャンピオンジャージで達成できたのが嬉しいね。」ベネットはご機嫌だった。
そして同じくアイルランド人のニコラス・ロッシュ(チームサンウェブ)がこの日も総合リーダージャージをキープ、アイルランドにとっては最高の一日となった。
そして昨日のステージでワウト・ポエルスとテオ・ゲオグヘーゲンの二人が大幅にタイムを失ったチームエネオスは、総合狙いを完全に捨てると宣言、ステージ勝利狙いに切り替えるとした。ツール・ド・フランスではきっちりと総合優勝を宣言通り獲得したイネオスだが、今シーズンはクリス・フルーム(チームイネオス)のケガで大幅に予定が狂ってしまっている。そのあおりから今回はメンバーが物足りない面子となっていたが、さらに昨日のステージのライバル勢の積極的なお動きの前に、あっさりと総合で白旗となってしまった。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージ
1位 サム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ) 4h25’02”
2位 エドワード・テウンス(トレック・セガフレド)
3位 ルーカ・メズゲック(ミッチェルトン・スコット)
4位 ヨン・アベラツリ・イザガ(カハルーラル・セグロスRGA)
5位 フィル・バウハウス(バーレーン・メリダ)
6位 マキシミリアーノ・リケーゼ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
7位 ファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ)
8位 シリル・バース(エウスカディ・バスクカントリー・ムリアス)
9位 シュモン・サイノク(CCC)
10位 クレメント・ヴェンチュリーニ(AG2R)
ブエルタ・ア・エスパーニャ第2ステージ 総合順位
1位 ニコラス・ロッシュ(チームサンウェブ) 9h51’14”
2位 ナイロ・キンターナ(モビスター) +02”
3位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーション・ファースト) +08”
4位 ミケル・ニエベ(ミッチェルトン・スコット) +22”
5位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ) +33”
6位 プリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ) +36”
7位 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ) +38”
8位 セルジオ・アンドレス(EFエデュケーション・ファースト) +40”
9位 ダビデ・フォルモロ(ボーラ・ハンスグロエ) +46”
10位 ラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグロエ)
H.Moulinette