ツール・ド・フランス最終ステージ:ルーブル美術館の中を駆け抜けるスペシャルステージを制したのはイーワン、新人賞獲得のベルナルが総合でも優勝!トーマスが2位でイネオスが最後にワン・ツー
今年のツール・ド・フランスもいよいよ終焉の時、なんとルーブル美術館の中を走る前代未聞の―コース、さらには夕暮れのシャンゼリゼなど今年も印象に残る最終日となった。その最後のステージを制したのはカレブ・イーワン(ロット・ソウダル)、これでステージ3勝目となった。
そして総合優勝はイーガン・ベルナル(チームイネオス)が史上初のコロンビア人覇者となった。一大旋風を巻き起こしながらも、なかなか勝利出来なかった高い壁、それが世界最高峰のレース、ツール・ド・フランスだった。そして総合2位も同じくチームイネオスのゲラント・トーマス(チームイネオス)、昨年度の覇者は最後にベルナルに仕掛けるように促すなど、チームリーダーとしてチームの勝利を促す男気と覚悟を見せた。チームは総合ワン・ツーを決めるとともにこれでチームとしてはツール7勝目、同一チームとしては最多の勝利数となった。
「とにかくチームに感謝したい。特にトーマスには感謝してもしきれないよ。僕にチャンスをくれて、そして信じてくれたんだからね。僕は間違いなく世界一幸せな男だよ!ツールを勝ったなんてほんと信じられないよ!これからも勝利をどんどんと狙っていくよ!」ベルナルは満面の笑みで語った。
新人賞もベルナルが獲得、若きエースは僅差のバトルを制しての勝利だが、今大会では絶対的なエースとしてではなく、あくまでもトーマスのあしすと兼サブエースだった。しかし最後の最後でチャンスをもらうと、そのまま大逆転、今大会の総合優勝と総合3位のスティーブン・クライズワイク(ジャンボ・ヴィズマ)とのタイム差は史上最少のわずか1分半だった。
山岳賞は総合優勝争いから脱落したロメイン・バルデ(AG2R)、第20ステージではライバルに逆転される恐れもあったが、ライバルたちが関心を示さなかったことで地元フランス勢として何とか一枚ジャージを獲得することに成功した。
ポイント賞はピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)、予想通り期キッチリと狙ってポイント賞を獲得した。これで8度の出場で7度目のポイント賞獲得、早くも史上最多の獲得回数となった。今大会では要所要所でウィリーを披露、レース中に観衆にサインをする余裕を見せるなど、スターたる所以を感じさせた。
チーム総合はモビスター、トリプルエースが機能しなかったものの、最終結果を見れば3人ともトップ10に入る辺りが”強いチーム”であったと言えるだろう。ただし誰も総合優勝争いに絡めなかったのは想定外だっただろう。
ツール・ド・フランス第21ステージ順位
1位 カレブ・イーワン(ロット・ソウダル) 3h04’08”
2位 ディラン・グローネウェーゲン(ジャンボ・ヴィズマ)
3位 ニコロ・ボニファッツィオ(トータルダイレクト・エナジー)
4位 マキシミリアーノ・リケーゼ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
5位 エドヴァルド・ボアッソン・ハーゲン(ディメンション・データ)
6位 アンドレ・グライペル(アルケア・サムシック)
7位 マッテオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット)
8位 ジャスパーストゥーヴェン(トレック・セガフレド)
9位 ニキアス・アルント(チームサンウェブ)
10位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)
ツール・ド・フランス総合順位
優勝 イーガン・ベルナル(チームイネオス) 82h57’00”
2位 ゲラント・トーマス(チームイネオス) +1’11”
3位 スティーブン・クライズワイク(ジャンボ・ヴィズマ) +1’31”
4位 エマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +1’56”
5位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +3’45”
6位 ミケル・ランダ(モビスター) +4’23”
7位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションファースト・ドラパック) +5’15”
8位 ナイロ・キンターナ(モビスター) +5’30”
9位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) +6’12”
10位 ワーレン・バルギル(アルケア・サムシック) +7’32”
山岳賞
ロメイン・バルデ(AG2R)
ポイント賞
ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)
新人賞
イーガン・ベルナル(チームイネオス)
チーム総合
モビスター
総合敢闘賞
ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ
H.Moulinette