ツール・ド・フランス第16ステージ:イーワンがヴィヴィアーニを振り切り今大会2勝目!総合は動かず、トーマス落車、同じく落車のフグルサングはリタイアへ
ツール後半戦のスプリントステージ、スプリント勝負決着以外の総合勢にとっては穏便に済ませたいステージではあったが、まさかの落車が発生、前半に落車をした総合2位のゲラント・トーマス(チームイネオス)は難を逃れたが、総合9位のヤコブ・フグルサング(アスタナ)は全身の痛みを訴えそのままリタイアとなってしまった。そんなステージを制したのはカレブ・イーワン(ロット・ソウダル)、ポケットロケットが今大会2勝目を挙げた。
ドゥクーニンククイックステップのトレインは完ぺきだった。リードアウトが左に避けると、エリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)はバリア沿いを一気に加速していく。そのリードアウトが一瞬進路をふさぐかに思われたが、イーワンはうまくそれを回避、そしてそのままコースど真ん中を加速していった。そのままライバルたちを一蹴、見事に勝利をもぎ取った。
「今日は暑くてぐったりだったんだけど、娘と妻が来ていたからモチベーションが高かったんだ。彼女たちの為に勝利出来てよかったよ。スプリントではジャンボ・ヴィズマの背後に付けていたんだけど、クイックステップが一気に加速してポジションを下げてしまったんだ。でもそういう状況も想定していたから、その通りに仕掛けたら勝利出来たんだよ。」イーワンはあらゆる状況を想定していたことを明かした。
この日は総合勢は無理することなく無難に終わらせたいステージだった。しかしステージ序盤に総合2位のトーマスがメカトラから落車をしてしまう。さらにはステージ終盤にはフグルサングが落車、チームメイトが足を止め見守る中、苦悶の表情を浮かべるフグルサングはそのままメディカルカーに乗り込み、リタイアとなった。骨折などのけがはないようだが、全身の痛みを訴えており、山岳を残した今大会を最後まで走りぬくためのメンタルが折れてしまったようだ。
「今日は最終盤では落車が怖かったよ。あちこちで落車が起きていたから、巻き添えはごめんだと思っていたんだよ。特にマイヨ・ジョーヌをまだ守っているんだからね。最後ヴィヴィアーニは勝てなかったけど、でもいいステージだったよ。」
ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) 総合1位
ツール・ド・フランス第16ステージ
1位 カレブ・イーワン(ロット・ソウダル) 3h57’08”
2位 エリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
3位 ディラン・グローネウェーゲン(ジャンボ・ヴィズマ)
4位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)
5位 ニコロ・ボニファッツィオ(トータル・ダイレクトエナジー)
6位 マイケル・マシューズ(チームサンウェブ)
7位 マッテオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット)
8位 ジャスパーストゥーヴェン(トレック・セガフレド)
9位 アレクサンダー・クリストフ(UAEチームエミレーツ)
10位 アンドレア・パスカロン(ワンティ・グループゴベール)
ツール・ド・フランス総合順位
1位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) 64h57’30”
2位 ゲラント・トーマス(チームイネオス)) +1’35”
3位 スティーブン・クライズワイク(ジャンボ・ヴィズマ) +1’47”
4位 ティボー・ピノー(グルーパマFDJ) +1’50”
5位 イーガン・ベルナル(チームイネオス) +2’02”
6位 エマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +2’14”
7位 ミケル・ランダ(モビスター) +4’54”
8位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) +5’00”
9位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションファースト・ドラパック) +5’33”
10位 リッチー・ポート(トレック・セガフレド) +6’30”
H.Moulinette