ツール・ド・フランス第9ステージ:イムピー会心の逃げ切り勝利!嵐の前の静けさなのか、総合勢は揺さぶりあうも動かず
ツール・ド・フランス第9ステージはここまでのステージと比べると大人しいステージとなった。総合勢に大きな動きはなかったが、揺さぶりは何度となく発生、しかし大きな波乱もトラブルもなくステージを終えることとなった。そんなステージは逃げの面々が主役となった。昨日のような紙一重の逃げ切りとは違い、この日は大集団が逃げを完全に容認、タイム差が大きくつく中でステージを制したのは、ツールの常連ダリル・イムピー(ミッチェルトン・スコット)だった。
この日はフランス革命記念日ということもあり、総合リーダーの証、マイヨ・ジョーヌ着用のジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が名刺代わりにアタックをする。しかし本気ではないこの動きが終了すると、逃げが容認されるのが高いステージということもあり、14名の逃げが飛び出していく。そこにさらに一人くっわり15名となった逃げは、じわじわと後続とのタイム差を開き、最大で15分弱にまで広がる。
この逃げ集団は徐々に分裂していき先頭にはディス・べノート(ロット・ソウダル)とニコラス・ロッシュ(チームサンウェブ)の二人が残る。これを追走するイムピーが二人に追いつくとべノートは上りでアタック、これにイムピーはすぐさま反応したが、ロッシュはここで徐々に遅れていく。べノートとイムピーの二人は協調体制をとったというよりも、追走してくる逃げのメンバーとの合流を嫌い、もっぱら一人で牽引を続ける。
そのままゴール勝負を迎えるが、脚を温存できたはずのべノートに対し、イムピーはここでも力の差を見せつける。あっという間にスプリントで決着をつけ、南アフリカにステージ優勝をもたらした。
「これだよね。この勝利が必要だったんだよ。これが7度目の出場で、何度となく逃げに乗っているけど、ようやく勝利することが出来たよ。夢にまで見たツールステージ勝者になれたんだよ。今日は間違いなく逃げが容認されると思っていたし、今日はうまくその逃げに乗ることが出来たよ。ほんと全てがうまくいったよ。自分を信じて突き進み最後もクレバーに対処できたね。南アフリカにとっても2007年以来の勝利、それをフランス革命記念日に挙げられたなんて最高の思い出になったよ。」イムピーは母国への思いも口にした。
総合勢ではロメイン・バルデ(AG2R)が揺さぶりをかけるなどしたが、結局集団は大きな波乱もトラブルもなくゴールラインを駆け抜けた。
「勝利を狙って、敢闘賞じゃあねぇ・・・2位には満足だけど、勝つチャンスがあったかと思うと悔しくてしょうがないよ。」
ティス・ベノート(ロット・ソウダル) ステージ2位
ツール・ド・フランス第9ステージ
1位 ダリル・イムピー(ミッチェルトン・スコット) 4h03’12”
2位 ティス・ベノート(ロット・ソウダル)
3位 ヤン・トラトニック(バーレーン・メリダ) +10”
4位 オリビエ・ナーセン(AG2R)
5位 ジャスパー・ストゥーヴェン(トレック・セガフレド)
6位 ニコラス・ロッシュ(チームサンウェブ) +14”
7位 マルク・ソレル(モビスター) +21”
8位 イヴァン・ガルシア(バーレーン・メリダ) +1’50”
9位 サイモン・クラーク(EFエデュケーションファースト・ドラパック)
10位 アンソニー・デラプラス(アルケア・サムシック) +2’42”
ツール・ド・フランス総合順位
1位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) 38h37’36”
2位 ギウリオ・チッコーネ(トレック・セガフレド) +23”
3位 ティボー・ピノー(グルーパマ) +53”
4位 ジョージ・ベネット(ジャンボ・ヴィズマ) +1’10”
5位 ゲラント・トーマス(チームイネオス) +1’12”
6位 イーガン・ベルナル(チームイネオス) +1’16”
7位 スティーブン・クライズワイク(ジャンボ・ヴィズマ) +1’27”
8位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションファースト・ドラパック) +1’38”
9位 ヤコブ・フグルサング(アスタナ) +1’42”
10位 エマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +1’45”
H.Moulinette