ツール・ド・フランス第7ステージ:開幕ステージの借りは返す!グローネウェーゲンが僅差のバトルでイーワンを振り切りようやくの勝利!ヴィヴィアーニはスプリントでまさかのスローパンク

スプリントステージというのは面白い。最後の最後の瞬間まで勝者が分からない、緊迫した時間が続くのだ。そして前評判があてにならず、思わぬ勝利や、思わぬトラブルが発生するのも楽しみの一つなのだ。そしてそんなスプリントステージを制したのはディラン・グローネウェーゲン(ジャンボ・ヴィズマ)、開幕ステージでスプリント前に落車しチームを落胆させたものの、チームメイトの勝利によって救われた男だった。

©Bettini Photo
前評判は高かったが、ここまで勝利のチャンスに恵まれなかった男は貪欲だった。この日の逃げはスプリンターもくろむ大集団に飲み込まれ、各チーム体制を整えていく。しかしゴール前のスプリント勝負、ジャンボ・ヴィズマは主導権を握り切れずにグローネウェーゲンはいい位置取りができない。それでも視野が開けたその瞬間にグローネウェーゲンは後方から仕掛ける。ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)とカレブ・イーワン(ロット・ソウダル)は素晴らしい加速でゴールを狙うが、グローネウェーゲンの勝利への思いがそれを上回った。バイクを投げ出したグローネウェーゲンは僅かに数センチだけイーワンに先着、ようやく待望の勝利をつかんだ。これでジャンボ・ヴィズマは7ステージで3勝、誰がこの快進撃を予想できただろうか。

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「いつもイーワンとの勝負は僅差だね。彼はいいスプリンターだしね。でも今日は勝利出来た、この結果に満足しているよ。初日に落車をしてそこから数日はほんとクソだったよ。でも昨日ようやく気分良くなってきてね。チームはいい仕事をしてくれたしこの勝利は本当にうれしいよ。序盤はレースコントロールができたけど、あのタイトなコーナーの連続で気が付けば行き場がなくなっていたんだ。でも残り250mで何とか進路をこじ開けたら、イーワンが見えたんで仕掛けたんだよ。うまくいったね。」グローネウェーゲンは納得の表情でレースを振り返った。
そして素晴らしいチームワークから飛び出したエリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)には不運が待ち構えていた。なんとそのタイミングでのスローパンクチャー、空気のないタイヤでは勝負にならず、ステージ6位に沈んだ。
「僕のスプリントはよかったと思うよ。でももう一度振り返るよ。グローネウェーゲンの仕掛けは早かったんだよね。でも届かなかった。まだこれからのステージで勝利を狙うよ。」
カレブ・イーワン(ロット・ソウダル) ステージ2位
「最終コーナーでバランスを崩しかけたよ。スローパンクチャーでタイヤが半分ぺたんこだったんだよ。運がなかったよ。でもしょうがない、受け入れないと。こういう不運は誰にでも起きうるし、今日は僕の番だったんだよ。こういう時は何もできないもんだよ。でもこれだけ走っての不運はやっぱりいらいらするね。チームには申し訳ないよ。」
エリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ) ステージ6位
ツール・ド・フランス第7ステージ
1位 ディラン・グローネウェーゲン(ジャンボ・ヴィズマ) 6h02’44”
2位 カレブ・イーワン(ロット・ソウダル)
3位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)
4位 ソニー・コルブレッリ(バーレーン・メリダ)
5位 ジャスパー・フィリップセン(UAEチームエミレーツ)
6位 エリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
7位 ジャコモ・ニッツォーロ(ディメンション・データ)
8位 ジャスパー・ストゥーヴェン(トレック・セガフレド)
9位 マイケル・マシューズ(チームサンウェブ)
10位アレクサンダー・クリストフ(UAEチームエミレーツ)
ツール・ド・フランス総合順位
1位 ギウリオ・チッコーネ(トレック・セガフレド) 29h17’39”
2位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +06”
3位 ディラン・テウンス(バーレーン・メリダ) +32”
4位 ジョージ・ベネット(ジャンボ・ヴィズマ) +47”
5位 ゲラント・トーマス(チームイネオス) +49”
6位 イーガン・ベルナル(チームイネオス) +53”
7位 ティボー・ピノー(グルーパマ) +58”
8位 スティーブン・クライズワイク(ジャンボ・ヴィズマ) +1’04”
9位 マイケル・ウッズ(EFエデュケーションファースト・ドラパック) +1’13”
10位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションファースト・ドラパック) +1’15”
H.Moulinette