ヘント・ウェベレヘム2019:クイックステップ旋風を止めたのはクリストフ!新天地で挑むクラシックで結果を残す!フロントシングルを止めノーマルに戻したデゲンコルブが2位

ここまで連戦連勝で圧倒的な存在感を示してきたドゥクーニンク・クイックステップだったが、ヘント・ウェベレヘムでその勢いはついに止まることとなった。それを止めたのは結果が求められていたアレクサンダー・クリストフ(UAEチームエミレーツ)だった。中盤でも積極的な動きを見せると、得意とする早仕掛けでライバルたちの間隙を縫いトップでゴールを駆け抜けた。

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この日のレースは横風が大きな影響を以及ばす。レース序盤50kmでピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)を含む大きなグループが集団から飛び出していく。ワウト・ファン・アールト(ジャンボ・ヴィズマ)とマシュー・ファン・デル・ポエル(コレンドン・サーカス)のシン旧シクロ王者、マッテオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット)ら強豪が名を連ね、これで勝負はこの集団に絞られるかに思われた。
逃げのメンバーがサガン、トレンティンら4人に絞られると、さらにそこにルーク・ロウ(チームスカイ)が追走を仕掛けブリッジに成功する。するとクリストフも追走を仕掛け集団を抜け出ていく。それに反応したのはゼネク・スティバー(ドゥクーニンク・クイックステップ)、ファン・アールト、ファン・デル・ポエルの新旧3人のシクロ王者たちだった。しかし結局この追走は実らない。それでもイブ・ランパート、フィリップ・ジルベール、スティバーのドゥクーニンク・クイックステップ勢は猛烈な牽引を見せ、逃げの5人を残り残り20kmで吸収、レースはスプリントへと向かっていく。
しかしここからドゥクーニンク・クイックステップが主導権を握ると、度重なるアタックはことごとく潰される。しかしこの日のレースはチームのスプリントエースのエリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)の日ではなかった。
スプリントでトレインを形成したのはジャンボ・ヴィズマ、しかしそれをぴったりとマークしたのはクリストフ、隊列を利用して先行したエイドリアン・ペティ(ダイレクト・エナジー)の背後を取ると、そのまま残り250mで一気にパワースプリントでライバルたちを引き離してみせた。
追いすがったのはジョン・デゲンコルブ(トレック・セガフレド)、チームスポンサーのスラムの1Xシステムを使っていたが、先のレースでそれが自らに合わないと通常のフロントダブルに戻しての仕掛けだった。勝利には届かなかったものの、納得の2位となった。

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「ほんとはガヴィリアがうちのエースだったんだよ。それで彼が仕掛けるはずだったんだけど、残り10kmで”調子が悪い”って言ってきたんだ。それでスプリントしてくれ、と言われたんで狙ったんだよ。ちょうどよくライバルチームを発射台に使えたのも良かったね。この勝利は大きいよ!ここまでいいところなしだったからね。苦しんでいるときの勝利ほど大事なんだよね。」クリストフは今回の勝利が自らにとっていかに大きな意味があるかを語った。
ヘント・ウェベレヘム2019
優勝 アレクサンダー・クリストフ(カチューシャ・アルペシン) 5h26’18”
2位 ジョン・デゲンコルブ(トレック・セガフレド)
3位 オリビエ・ナーセン(AG2R)
4位 マシュー・ファン・デル・ポエル(コレンドン・サーカス)
5位 ダニー・ファン・ポッペル(ジャンボ・ヴィズマ)
6位 エイドリアン・ペティ(ダイレクト・エナジー)
7位 マッテオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット)
8位 ルディガー・セリグ(ボーラ・ハンスグロエ)
9位 マティ・モホリッチ(バーレーン・メリダ)
10位 イェンス・デブッシェール(カチューシャ・アルペシン)
H.Moulinette