ドワース・ドア・フランデーレン2019:現シクロ王者がワールドツアー制覇!ファン・デル・ポエルが圧倒的な存在感でロードレースのビッグタイトル獲得!

現シクロ王者のマシューファン・デル・ポエル(コレンドン・サーカス)にとって、ロード転向も一つの通過点でしかないのかもしれない。スターたる資質を持ち、シクロクロスで圧倒的な存在感を見せていたワウト・ファン・アールト(ジャンボ・ヴィズマ)とファン・デル・ポエルのシクロクロス2強がそろい踏みで本格的にロード進出をした今シーズン、ワールドツアーのジャンボ・ヴィズマへの移籍を決めここまでのクラシックで何度となく表彰台を獲得してきた、ファン・アールトに対して、プロコンチネンタルのファン・デル・ポエルのチャンスは僅かしかなかった。その数少ないチャンスを確実にものにして、ファン・デル・ポエルはドワース・ドア・フランデーレンを制して一気に世界のロードレース界に名を刻んだ。

©Bettini Photo
この日ファン・デル・ポエルは積極的に中盤から動いてみせた。残り60kmで飛び出し、先頭集団に躍り出たが、一度は追走が迫りそのチャンスは潰えたかに思えた。しかしそこへ合流してきたのはティス・ベノート(ロット・ソウダル)、ボブ・ユンゲルス(ドゥクーニンク・クイックステップ)、彼らが加わり丘を越えてのダウンヒルセクションで勝負は動く。ファン・デル・ポエル、べノート、ユンゲルス、アンソニー・チュルギス(ダイレクト・エナジー)、ルーカス・ポステルベルガー(ボーラ・ハンスグロエ)の5人に絞られた先頭集団は、そのまま爆発的な走りで後続の大集団を最後にチャンスを与えなかった。

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そして5人の勝負で先に動いたのはユンゲルス、チームの勢いのままに揺さぶりをかける。しかしやはり数の優位なき状況では決定打にはならない。するとチュルギスが勝負に出る。しかしそのアタックではファン・デル・ポエルを振り落とすことはできなかった。逆に自らを発射台に利用され、ファン・デル・ポエルの初ワールドツアー勝利をアシストする形となってしまった。ゴールでガッツポーズを決めるファン・デル・ポエルに対して悔しがるチュルギス、対照的な形となった。
「誰も僕の背後につけていないかを気にしていたんだよ。チュルギスが仕掛けたんだけど、自分の脚にもスプリントへの余力がまだ残っていたんだ。2週間前に落車して、正直かなりきつかったんだけどね。でもたったの180kmのレースだったしね。でもこれでモニュメントであるツアー・オブ・フランダースの本命に挙げてもらえるのであれば光栄だね。」このワールドツアー初勝利で一気にファン・デル・ポエルはライバルたちから警戒される存在となりそうだ。

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ドワース・ドア・フランデーレン
優勝 マシューファン・デル・ポエル(コレンドン・サーカス) 4h05’54”
2位 アンソニー・チュルギス(ダイレクト・エナジー)
3位 ボブ・ユンゲルス(ドゥクーニンク・クイックステップ)
4位 ルーカス・ポステルベルガー(ボーラ・ハンスグロエ)
5位 ティス・ベノート(ロット・ソウダル)
6位 ルーク・ロウ(チームスカイ) +18”
7位 ダニー・ファン・ポッペル(ジャンボ・ヴィズマ) +19”
8位 イブ・ランパート(ドゥクーニンク・クイックステップ)
9位 クリストフ・ラポルテ(コフィディス・ソルーションクレジッツ)
10位 ハインリッヒ・ハウッスラー(バーレーン・メリダ)
H.Moulinette