E3ビンクバンククラシック:クイックステップのクラシック連勝続く!スティバーがファン・アールトとファン・アーヴェルマートを撃破して勝利!
クラシックシーズンが開幕して以降、個性派集団のドゥクーニンク・クイックステップの勢いが止まらない。毎年勝利を量産するが、今年はそれがさらに顕著だ。ここまでの主要クラシック、そしてモニュメントまで制したチームはさらにE3ビンクバンククラシックでもゼネク・スティバー(ドゥクーニンク・クイックステップ)が勝利し、さらに勝利を重ねた。
この日も全ては「チームワーク」だった。通常は接待的なエースを決めてレースをするのがロードレースのセオリーだが、誰もが勝利を狙えるという特殊な体制で挑むこのチームの先方はライバルチームにとっては極めて厄介だ。先行して逃げられればそのチームメイトに追走を阻まれ独走を許すことに繋がることも多く、また追走に脚を使えば複数メンバーを必ずそろえるドゥクーニンク・クイックステップが必ずスプリントで有利になってしまうのだ。そのジレンマの中でレースをしなければならないのは極めてストレスがたまる。常に出場メンバーの約半数が勝利を狙える4人エース体制ともいえる変則攻撃がこの日もさく裂した。
残り60kmで仕掛けたのはボブ・ユンゲルス(ドゥクーニンク・クイックステップ)、クールネ・ブリュッセル・クールネで勝利した男がここでも仕掛けて見せる。このアタックで先行していた逃げをすべて捉えて置き去りにしていく。
その先行するユンゲルスを追走したのは、元シクロ世界王者で今シーズン本気でクラシックを狙っているワウト・ファン・アールト(ジャンボ・ヴィズマ)、さらには今シーズンここまで惜しいレースが続いているグレッグ・ヴァン・アーヴェルマート(CCC)らだった。そしてスティバーはその面々をマークする形で追走の最後尾を走る。
残り7kmで追走はユンゲルスを捕まえると、残り3.5kmでスティバーが動く。しかしこの動きはアルベルト・ベッティオール(EFエデュケーションファースト・ドラパック)、ファン・アールト、ファン・アーヴェルマートらに潰される。しかし追走の間、脚を温存してきたスティバーにとってはスプリント勝負も計算の内だった。
スプリントで先行したのはファン・アーヴェルマート、しかしそれをスティバーは難なく追い越していく。そのまま最後はガッツポーズを決め、クラシックシーズン2勝目となる勝利を祝った。ユンゲルスもそのまま最後まで粘り5位、チームはまたしてもワールドツアーポイントを荒稼ぎした。そして2位に入ったのはファン・アールト、二人の元シクロクロス王者がワン・ツーという形なった。そしていまだ勝利できずとも、レースを走るたびに優勝争いをするファン・アールトの実力は間違いなく本物だ。
「やっぱり表彰台は気持ちいね。これでいい感じでツアー・オブ・フランダースに挑めそうだよ」スティバーは早くも次のレースをイメージしているようだ。
E3ビンクバンククラシック
優勝 ゼネク・スティバー(ドゥクーニンク・クイックステップ) 4h46’05”
2位 ワウト・ファン・アールト(ジャンボ・ヴィズマ)
3位 グレッグ・ヴァン・アーヴェルマート(CCC)
4位 アルベルト・ベッティオール(EFエデュケーションファースト・ドラパック)
5位 ボブ・ユンゲルス(ドゥクーニンク・クイックステップ) +03”
6位 ニルス・ポリット(カチューシャ・アルペシン) +1’04”
7位 マッテオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット)
8位 オリビエ・ナーセン(AG2R)
9位 ジャシャ・スッターリン(モビスター)
10位 マルク・ヒルシチ(チームサンウェブ)
H.Moulinette