ティレーノ・アドリアティコ第7ステージ:最終ステージで大逆転!僅か1秒差で総合優勝はログリッチ!目指すはグランツール!ステージ優勝はアワーレコード挑戦のカンペナールツ!

レースとは最後の瞬間まで分からないものだ。ティレーノ・アドリアティコ最終ステージ、個人TTで大逆転が待っていた。さらにはアワーレコード挑戦予定のヴィクター・カンペナールツ(ロット・ソウダル)がステージ優勝、チャレンジへ向けさらに自信を深めた。

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最終ステージ前まで総合リーダーだったのはアダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)、第6ステージまでに総合2位のプリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ)に25秒差をつけていた。果たしてこのリードが十分なのかどうかが試された個人TT、軍配はログリッチに上がった。ステージ11位に入ったログリッチに対し、最終走者のアダムは48位と大きく遅れ、なんと僅か1秒差で総合優勝を逃した。同時に行われていたパリ~ニースでも兄弟のサイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)が総合優勝を逃しただけに、チームにとっても兄弟にとっても悔しいレースとなった。

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元スキージュニアジャンプの金メダリストから華麗なる転身を遂げたログリッチは今シーズン絶好調、UAEツアーでも総合優勝を決めると、この大会でも総合優勝、山岳もこなせ個人TTも走れることを考えれば、当然次のターゲットはグランツールとなるだろう。総合3位は何とか遅れを最小限にとどめたヤコブ・フグルサング(アスタナ)が獲得、2度目のグランツール制覇をもくろむトム・デュムラン(チームサンウェブ)は総合4位で大会を終えた。

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「この感情は表現しがたいね。美しい勝利、最高の美酒だね。正直勝敗の差はわずかだったね。これは差には入らないかもね。運も実力のうち、僕には来運が味方したよ。とにかく最後の一滴まで力を振り絞ったからね。」ログリッチは今自転車レースでも頂点を狙える存在となってきた。

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ステージを制したのはカンペーナルツ、これでますますウィギンスのアワーレコード更新が楽しみになってきた。「完璧なTTが走れたよ。今日は向かい風がきつかったから、本当にきちんと踏み込まなければならなかったんだよ。僕は後半にタイムが伸びるタイプだから完璧な結果だと言えるよ。ここ2年間ワールドツアーでの勝利を狙ってきたし、この勝利はモチベーションを与えてくれるね。特に今大会はほとんどのTTスペシャリストが顔を揃えていただろう、まるで世界選手権を勝ったような気分だよ。」カンペナールツは誇らしげに語った。

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ティレーノ・アドリアティコ第7ステージ
1位 ヴィクター・カンペナールツ(ロット・ソウダル) 11’23”
2位 アルベルト・ベッティオール(EFエデュケーションファースト・ドラパック) +03”
3位 ホス・ファン・エムデン(ジャンボ・ヴィズマ) +04”
4位 セバスチャン・ラングフェルド(EFエデュケーションファースト・ドラパック) +06”
5位 イブ・ランパールト(ドゥクーニンク・クイックステップ) +07”
ティレーノ・アドリアティコ総合順位
優勝 プリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ) 25h28’00”
2位 アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) +01”
3位 ヤコブ・フグルサング(アスタナ) +30”
4位 トム・デュムラン(チームサンウェブ) +1’25”
5位 ティボー・ピノー(グルーパマFDJ) +2’32”
6位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +2’34”
7位 ワウト・ポエルス(チームスカイ) +2’42”
8位 サイモン・クラーク(EFエデュケーションファースト・ドラパック) +3’01”
9位 サム・オーメン(チームサンウェブ) +3’12”
10位 ルイ・コスタ(UAEチームエミレーツ) +3’18”
H.Moulinette