ティレーノ・アドリアティコ第5&第6ステージ:前日ルチェンコ御膳立てのフグルサングが独走勝利!アスタナ絶好調!第6はアラフィリップがスプリンター抑えて今大会2勝目!クイックステップも絶好調

昨日のルチェンコの驚きの2度の落車後のスプリント勝利を支えた陰の功労者、ヤコブ・フグルサング(アスタナ)が第5ステージでは自らの力で独走勝利をもぎ取って見せた。勝利量産中のチームを支えるチームの中核選手がその力をいかんなく発揮している。

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残り24km、追走集団から飛び出したフグルサングは、逃げ集団からの脱落者たちを次々とかわして先頭へと躍り出る。残り10kmではついには単独先頭に躍り出ると、そのままゴールまで逃げ切って見せた。
「チームとしては昨日の再現を狙っていたんだよ。チームとして状態がいいし他のチームの動きを見ていて、2匹目のどじょうはいると思ったんだよね。だから最後まで集団で推移してゴール前勝負にするよりは、この方が間違いなく勝機があるとみたんだよ。昨日はルチェンコの番だったけど、今日は僕が主役だったね。まあうまくいったよ。」フグルサングは納得した表情で語った。

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「今日の勝利はミケーレ・スカルポーニに捧げる勝利だよ。今日は彼の奥さんと子供たちが来ていたんだ。彼にとってもこのレースはお気に入りのレースだっただろうし、彼の本拠地そばで行われるレースだからね。だから勝利出来たらその勝利を彼に捧げようと決めていたんだ。」フグルサングは今は亡きチームメイト、スカルポーニに勝利をささげた。
ステージ2位争いも激化、総合リーダージャージのアダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)が飛び出し、それを総合2位のプリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ)が追う展開となったが、最後はアダムがログリッチを振り切り単独2位に入った。

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ティレーノ・アドリアティコ第5ステージ
1位 ヤコブ・フグルサング(アスタナ) 4h39’32”
2位 アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) +40”
3位 プリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ) +56”
4位 トム・デュムラン(チームサンウェブ) +1’39”
5位 アルノー・デマール(グルーパマFDJ) +1’53”
第6ステージ、スプリント勝負に持ち込もうとするドゥクーニンク・クイックステップの圧倒的な支配力でレースは展開、万全の状態でエーススプリンターのエリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が勝利をつかむかに思われた。しかしヴィヴィアーニがポジショニングでてこずり、何とかピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)の背後に位置どる中で、リードアウトのマキシミリアーノ・リケーゼ(ドゥクーニンク・クイックステップ)はもう一つの選択肢としてなんとジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)をゴール前へと導く。

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誰もが勝利を狙える体制を現場の状況に応じてすぐさま切り替える辺りさすが個性派軍団、アラフィリップは純粋なスプリンターでないにもかかわらず、見事な加速で各チームのスプリンターをあざ笑うかのように勝利を奪い去った。デビデ・チモライ(イスラエル・サイクリングアカデミー)がステージ2位、ヴィヴィアーニは最後は伸びを見せて3位に食い込んだ。

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「ヴィヴィアーニへ最高のリードアウトをしたかったんだよ。でも彼が最終周回でもしスプリントしたかったらいってもいいよ、と言ったんだ。まあでも”お前の最後の発射台になるよ”とは伝えたんだ。リケーゼがいい走りをしてくれて、でもみたら僕が最後だったんで、そのまま残り200mで勝負に出たんだよ。すごいだろ!」アラフィリップは興奮気味に語った。これで今大会2勝目、ストラーデ・ビアンケも含めて今シーズン早くも6勝目となった。
ティレーノ・アドリアティコ第6ステージ
1位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) 4h42’11”
2位 デビデ・チモライ(イスラエル・サイクリングアカデミー)
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
4位 クレメント・ヴェントゥリーニ(AG2R)
5位 ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)
ティレーノ・アドリアティコ総合順位
1位 アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) 25h15’59”
2位 プリモズ・ログリッチ(ジャンボ・ヴィズマ) +25”
3位 ヤコブ・フグルサング(アスタナ) +35”
4位 トム・デュムラン(チームサンウェブ) +1’52”
5位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) +2’24”
H.Moulinette