チームスカイの新チームはチームイネオス、5月1日から早くも新体制に!イギリスナンバーワンの大富豪がチームのイギリス本拠地にこだわり買収を了承
騒がしかったチームスカイの行く末が、ようやく確定した。コロンビア政府や企業などにも働きかけをしていたが、最終的にはイギリスの大富豪が助け舟を出す形で決着した。本来であれば年内いっぱいはチームスカイのまま活動するはずだったのも、そのまま前倒しで運営会社ツアーレーシングリミテッドを買収という形で決着、チームスカイは5月1日から晴れて新チーム、チームイネオスとなることが決まった。
いまUCIの最終承認を待っている段階ではあるが、5月2日から始まるツール・ド・ヨークシャーはチームイネオスとして出走となるが、4月30日から5月5まで行われるツール・ド・ロマンディはチームスカイとしての出走というややこしい形での船出となる。
チームスカイは2010年にツール・ド・フランスをイギリス人選手で制覇する、を合言葉に発足、2012年には早々とブラッドリー・ウィギンスが制覇しその目標を達成した。その後も6度のツールでクリス・フルームとゲラント・トーマスで5勝と圧倒的な強さを見せている。しかし2016年にWADA(世界アンチドーピング協会)に提出されていたウィギンスの2011年と2012年のツール・ド・フランス、2013年のジロ・デ・イタリアでのTUE(治療目的例外措置)での薬物使用が制度の乱用、つまりドーピングに当たるのではないかとの疑惑が持ち上がり、これは今でも決着を見ていない。
その為なかなか後継スポンサーの確保は難しいかと思われたが、やはりイギリス本拠地の最強チームを手放したくないというイギリスの誇りが最終的に契約をまとめさせた。イネオスはジム・ラットクリフが1998年創業したケミカル系の企業だ。オイルを中心にプラスチックなどを主要商品とする。ラットクリフはイギリス一の大富豪であり、今回のチーム買収に際しては、来シーズンの予算を今よりさらに増額するとしている。それにより現有戦力の流出を防ぐ方針のようだ。
「自転車は健康にも良いとされているだろ。環境問題が注視されている今、自転車は環境にやさしい競技なんだよ。だからこそ、我々のような企業がその責任を果たさねばならないんだ。その一環として今回のチーム買収に至った。」ラットクリフは今回のチーム買収が、企業にとっての社会貢献の一環であることを強調した。
チームスカイにとってはスポンサーが変わるだけではなく、資金まで増強という願ったりかなったりの状況となることで、来シーズン以降もチーム強化が進むだろう。果たしてこのチームは今後どのような足跡を歩むのか、歴史上最強チームにも数えられるチームの新たなスタートはもうすぐだ。
H.Moulinette