パリ~ニース第3&第4ステージ:ベネットが会心のスプリント勝利!第4ステージは逃げ切りでコート・ニールセンがアスタナにシーズン16勝目をもたらす!
パリ~ニース第3ステージ、ステージ3連勝のディラン・グローネウェーヘン(ジャンボ・ヴィズマ)が早々に脱落したスプリントを制したのは、第1ステージで4位に入ったサム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ)だった。
スプリンターの勝利への嗅覚は、ライバルの勝利への隊列、トレインをハイジャックするという強硬手段となった。グルーパマFDJとジャンボ・ヴィズマがチームワークを見せる中、なんとベネットはグローネウェーヘンの発射台となるマイク・テウニッセン(ジャンボ・ヴィズマ)の背後にピタリと体を寄せると、そのまま一気に勝負を仕掛け、豪快なスプリント勝利を挙げた。
第1ステージで2位と3位だったカレブ・イーワン(ロット・ソウダル)とファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ)はこのステージでも2位と3位に終わった。
「ここでまた勝ててうれしいよ。今旬な選手たちとやりあて勝利できたことは誇りに思うよ。チームがいい仕事をしてくれたよ。グローネウェーヘンはここ2日間凄かっただろ、僕が勝てる要素が見当たらなかったんだよ。調子もいまいちだったしね。そういう時はただ挑み続けることだよ。そうすれば何かしら突破口が見えるはずなんだ。ようやくこの寒さにも慣れてきたしね。」ベネットはそう言いつつも、これで今シーズン3勝目を挙げた。
パリ~ニース第3ステージ
1位 サム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ) 5h16’25”
2位 カレブ・イーワン(ロット・ソウダル)
3位 ファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ)
4位 ダニエル・マックレイ(EFエデュケーションファースト・ドラパック)
5位 ブライアン・コカード(バイタル・コンセプトB&Bホテル)
第4ステージは、おなじみのミスター逃げ男、トーマス・デ・ヘント(ロット・ソウダル)が見せ場を作った。毎年どんなレースでも積極的に逃げに乗ることで、自ら勝利のチャンスを多く生み出すこの男はスポンサーにとっては貴重な存在、圧倒的なコストパフォーマンスでその存在価値をしっかりと見せつける。
縮まりそうで縮まらないその差、デ・ヘントを含む5人と後続との差は残り5kmで40秒差、追走がペースを上げれば間違いなくゴール前で捉えることができるように思われた。しかしこれがドラマ、追走のペースが上がらず、どのチームが追走に足を割くかで譲り合いをしてしまったのだ。それにより先頭の5人は余裕をもって残り1kmのフラム・ルージュへと向かっていく。
しかしそれを前になんとマグナス・コート・ニールセン(アスタナ)が大博打に出る。まさかのロングスパートに、逃げを共にした面々は完全に出遅れる。デ・ヘントはそれでも追走を試みるが、勝利と言う最強のモチベーションを得たニールセンの速さに、デ・ヘントは全く太刀打ちできなかった。ガッツポーズでゴールしたニールセンに対し、ゴールで悔しさを爆発させたデ・ヘント、勝利が決まったあの一瞬の油断の代償は大きかった。
「逃げに乗る予定はなかったんだよ。でも調子がよかったから仕掛けてみたんだよ。まあ逃げに乗ったら目的は逃げ切りでしょ。後はチャンスを掴むだけ、勝利することができてよかったよ。これが僕にとってのシーズン初勝利、チームにとってもいい年になりそうだよ。」そう語ったニールセンはチームにシーズン16勝目をもたらした。
総合ではミカル・クウィアトコウスキー(チームスカイ)が総合リーダーに躍り出た。さらにはルイス・レオン・サンチェス(アスタナ)、フィリップ・ジルベール(ドゥクーニンク・クイックステップ)がそれに続いている。
パリ~ニース第4ステージ
1位 マグナス・コート・ニールセン(アスタナ) 5h03’49”
2位 トーマス・デ・ヘント(ロット・ソウダル) +07”
3位 グイリオ・チッコーネ(トレック・セガフレド) +13”
4位 アレッサンドロ・デ・マルキ(CCC) +18”
5位 リリアン・カルメジャーネ(ダイレクト・エナジー) +48”
総合順位
1位 ミカル・クウィアトコウスキー(チームスカイ) 16h52’27”
2位 ルイス・レオン・サンチェス(アスタナ) +05”
3位 フィリップ・ジルベール(ドゥクーニンク・クイックステップ) +10”
4位 イーガン・ベルナル(チームスカイ) +11”
5位 マッテオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット) +14”
H.Moulinette