クールネ・ブリュッセル・クールネ:クイックステップがクラシック連勝!スティバーの勝利をアシストしたユンゲルスが今度は自ら勝利!複数エースでビッグタイトル連覇!
まるで昨日のオムループ・ヘット・ニウスブラッドを見ているかのような展開、先頭5人の逃げにキッチリと入り込んだのはドゥクーニンク・クイックステップだった。しかしそのボブ・ユンゲルスが入った集団の飛び出しはまさかの長距離逃げ、ゴールまで60㎞以上を残して集団から抜け出したルクセンブルグチャンピオンジャージは、アスタナ2人という数的不利な逆境も何のその、独走力を爆発させて残り16㎞から単独アタックを決め、そのままゴールまで逃げ切って見せた。
これでクイックステップ・ドゥクーニンクは春のクラシック連勝、しかも異なる選手で勝利をし、ライバルチームにとっては誰をマークしておけばいいのかがわからない勝負しづらいいつも通りの展開となっている。
レースが動いたのはオウデ・クワレモント、一気にレースは活性化し、それに乗じて集団が続く石畳区間でその人数を減らし、先頭はわずか5人となる。ユンゲルス、オリビエ・ナーセン(AG2R)、ダビデ・バレリー二とマグナス・コートのアスタナデュオ、セバスチャン・ラングフェルド(EFエデュケーションファースト・ドラパック)になってしまう。この時点でこの集団から勝者が出るとは誰も想像すらしなかっただろう。この5人と後続集団との差は大きく開くことはなく、ロードレースのセオリーから言えば射程圏内ともいえる1分差以内で推移する。
そして勝負が決まった瞬間は皮肉な展開だった。昨年度はドゥクーニンク・クイックステップTのメンバーとして戦っていたが、クラシックのエース格としてミッチェルトン・スコットに移籍をしたヨーロッパチャンピオンのマッテオ・トレンティンが落車から復帰し、追走集団の最後尾に合流した瞬間だった。残り16㎞でアスタナが一人脱落で4人となっていた先頭集団からユンゲルスが飛び出していく。圧倒的な加速でぐんぐんと差を広げていくと、そのまま単独でゴールでガッツポーズを決めた。
このレースでもカギを握ったのは追走集団前方に陣取ったユンゲルスのチームメイトたち、チームワークで追走の速度をコントロールし続けクラシック連勝をアシストした。昨日優勝のスティバーもキッチリと仕事をしてアシスト、これが出来るのがこのチームの強みであり選手層の厚さだろう。
「正直クワレモントで動きがあった時はちょっと後ろのほうにいすぎたんだよ。でも向かい風だったことが幸いしてその後僕も動けたんだよ。石畳で人数を減らそうと動いたら、そのまま5人まで減ってしまったんだよ。残り15kmぐらいの個人TTだったら何とかなるかなと。週末でクラシック2勝、うちのボスも大満足でしょ。」ユンゲルスは冗舌だった。
その背後では追走が逃げの残党を吸収し2位バトルとなる。オウェイン・ドウル(チームスカイ)が2位を獲得し、こちらも今シーズンからドゥクーニンク・クイックステップを離れたニキ・テルプストラ(ダイレクト・エナジー)が3位表彰台を獲得した。それに続いて5位でユンゲルスのアシストをしたイブ・ランパート、6位でフロリアン・セネシャルとクイックステップの二人がトップ10でゴールした。
クールネ・ブリュッセル・クールネ
優勝 ボブ・ユンゲルス(ドゥクーニンク・クイックステップ) 4h42’54”
2位 オウェイン・ドウル(チームスカイ) +12”
3位 ニキ・テルプストラ(ダイレクト・エナジー)
4位 ディラン・グローネウェーゲン(ジャンボ・ヴィズマ)
5位 イブ・ランパート(ドゥクーニンク・クイックステップ)
6位 フロリアン・セネシャル(ドゥクーニンク・クイックステップ)
7位 イェンス・ケウケレール(ロット・ソウダル)
8位 アンドレ・グライペル(アルケア・サムシック)
9位 ジャスパー・デ・ブイスト(ロット・ソウダル)
10位 カルロス・バルベロ(モビスター)
H.Moulinette