来シーズンのスポンサー失い窮地のチームスカイに触手を伸ばしたのは一大自転車旋風を巻き起こしているコロンビア!将来のグランツールエース候補のベルナル抱えるスカイに追い風か

チームスカイと言えば現レース界において最強チームであり、その選手たちの顔ぶれも年俸も他チームから頭一つ抜きんでているのは周知の事実だ。しかしそのチームのメインスポンサーだったスカイと20世紀フォックスが同時にスポンサーを降りることとなり、後ろ盾をなくした運営母体の行く末を案じる声が日に日に強まっていた。最強チームの解体となれば各チームによる選手争奪戦も勃発する可能性があり、その動向に注目が集まっている。
以前チームをスポンサーしていたティンコフや中国などの大富豪の名前が次々と上がる中で、ここへ来てツアー・コロンビアを走るチームに帯同しているデイブ・ブレイルズフォード監督がコロンビアの大統領、さらにはスポーツ大臣と接触していたことが分かった。
「コロンビアにとっては世界トップクラスのチームは夢であり憧れなんだよ。運営資金を考えたときに、いくつかの企業で分散すれば十分に可能な額だと考えているよ。チームスカイという世界最強のチームへの出資は十分に”知名度”という見返りがついてくるからね。」エルネスト・ルセナ大臣は語っている。
チーム自体は過去にも多くのコロンビア人選手を獲得しており、そのパイプも太い。一大勢力となりつつあるコロンビアだが、国内のチーム基盤は弱く、まだまだヨーロッパへの出稼ぎが中心となっている中で、国を挙げて世界最強チームを獲得できれば、またとない国内レベルの底上げへとつながるだろう。
すでに国営企業のエコペトロールがその中心を担うのではと噂されており、今回のツアー・コロンビア参戦はその為の布石だと言われている。しかしチームスカイ側は当然まだ正式には何も決まっていないとコメントしている。
南米は多くのタレントを抱えながら、生活水準と給与水準の関係から有力スポーツ選手はことごとく海外へと流出していく。その中でもし世界トップリーグであるワールドツアーチームの拠点が南米に移るとなれば、間違いなくさらなる秘めたる才能が次々と発掘されることになりそうだ。
サイクリング界に旋風を巻き起こす国は、遅かれ早かれ最強チームを保有することになることが多い。今コロンビアは間違いなくその最大のチャンスを目の前にしている。
H.Moulinette