UCIシクロクロス世界選手権シリーズ第8ステージ ポン・シャトー:お待たせの勝利!今シーズン勝てなかった現世界チャンピオンファン・アールトが僅差のバトルを制して吠える!しかし最大ライバルは出走せず
ようやくの勝利だ。今年のシクロクロスシーズンを世界チャンピオンとして迎えながら、2019年度の契約問題でスポンサーなしで迎えた男の苦悩し続けた日々からようやく解放されることとなった。ワウト・ファン・アールトがここへ来て僅差のバトルを制してようやくの勝利、最大ライバルの元世界チャンピオンのマシュー・ファン・デル・ポエル(コレンドン・サーカス)が世界選手権へ向けて出走をしない中での勝利ながら、世界選手権という大舞台での一発集中力を見せる現世界チャンピオンが、ここへ来て調子を上げてきた。これでUCI世界選手権シリーズの総合リーダージャージも奪取、最終戦をリーダーとして迎えることとなった。
「ようやくだよ。この勝利を待っていたんだよ!この勝利のためにベストを尽くしてきたんだよ。どうあれ勝てたんだから大満足だよ。今日のレースはエキサイティングだっただろ。コースが最高のエンターテイメントをもたらしてくれたね。ワンワイドレースではなく、ゴールまで勝利がもつれるなんてエキサイティングだろ。6人で最終ラップで競い合う勝負なんてそうないからね。」ゴールで絶叫したファン・アールトは興奮冷めやらぬ状態でしゃべり続けた。
ハイペースな展開でほとんどの選手が障害物をバニーホップで越えていく展開、しかしラース・ファン・デル・ハール(テレネット・フィデア・ライオンズ)がミス、これにより多くの選手がそのあおりをくらってしまう。イェンス・アダムス(パウエルス・サウゼン・ファスゴエサービス)、ミカエル・ファントゥーレンハウト(マーラックス・ビンゴール),ファン・アールト、そしてここまでの総合リーダー、トゥーン・アールツ(テレネット・フィデア・ライオンズ)が先頭集団を形成することとなる。さらにはそこにファン・デル・ハールとローレンス・スウィーク(パウエルス・サウゼン・ファスゴエサービス)が合流する。
ここから6人による激しいバトルの応酬となるが、世界チャンピオンジャージの意地でファン・アールトはことごとく反応、そして最後までそのパワフルなスタミナが切れることはなかった。最終コーナーをまわりスプリント勝負となるが、総合リーダージャージのアールツと総合2位のファン・アールトがデッドヒートを繰り広げるが、最後は王者の意地が現リーダーの粘りを上回った。これで順位取り総合でも二人が入れ替わったが、その差はわずか3点、最終戦でさらにひっくり返る可能性のある僅差の戦いとなっている。
「ファン・アールトのほうがスプリントは得意なのはわかっていたからな~、でもそれでもマークし続けて勝利するタイミングがあればと思ったんだけど、だめだったね。」アールツはがっくりと肩を落としながらも「まだ最終戦がある」と自分に言い聞かせた。
UCIシクロクロス世界選手権シリーズ第8ステージ ポン・シャトー
優勝 ワウト・ファン・アールト 1h04’34
2位 トゥーン・アールツ(テレネット・フィデア・ライオンズ) +01”
3位 ミカエル・ファントゥーレンハウト(マーラックス・ビンゴール) +07”
4位 ラース・ファン・デル・ハール(テレネット・フィデア・ライオンズ) +08”
5位 イェンス・アダムス(パウエルス・サウゼン・ファスゴエサービス)
6位 ローレンス・スウィーク(パウエルス・サウゼン・ファスゴエサービス) +11”
7位 ダビデ・ファン・デル・ポエル(コレンドン・サーカス) +15”
8位 ケヴィン・パウエルス(サンウェブ・ナポレオンゲームス)
9位 コーン・ファン・ケッセル(テレネット・フィデア・ライオンズ) +16”
10位 ジャンニ・フェルメサーチ(スタイラーツ777)
H.Moulinette