ツアー・ダウン・アンダー第5ステージ:ステージ優勝は繰り上げでフィリップセン!イーワンは降格処分に!総合リーダーのべヴィンは残り10kmで激しく落車もなんとか総合をキープ

ドラマチックな展開はいつ何時起きるかわからない。勝者が時に敗者となることもあるのがレースの世界、厳しい裁定で誰よりも早くゴールラインに飛び込んだカレブ・イーワン(ロット・ソウダル)が降格処分、それにより競り合い2位に入ったジャスパー・フィリップセン(UAEチームエミレーツ)が念願のプロ初勝利となった。

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厳しい判断となったが、上空からの映像で執拗にフィリップセンに頭突きをしたイーワンに対しての降格処分は妥当だっただろう。ゴールスプリント前の直線で、横に並ぶフィリップセンに対して2度3度と頭突き、進路を確保するためでも危険回避のためでもないと裁定されたために、レース終了後即処分対象となった。この大会前の前哨戦では勝利したイーワンだが、いまだ勝利がなく焦りもあったのかもしれないが、映像が残りやすい昨今、さらにゴール前と言うことを考えればあまりにも浅はかな行為だっただろう。
「残念だよ、ようやく公式戦移籍初勝利かと思ったのに。僕がサガンの背後をとっていたんだけど、フィリップセンがそのポジションを奪いに来て幅寄せをしたんだ。ハンドルバーを放せないから、だから頭で押しのけただけなんだよ。裁定は受け入れなきゃならないけど納得はしていないよ。」イーワンは不満気に語った。

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そんなレースはイーワンに屈したフィリップセンが繰り上げでプロ初勝利、喜びと困惑の表情を見せての表彰台となった。さらにはピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)も繰り上がりステージ2位、ダニー・ファン・ポッペル(ジャンボ・ヴィズマ)がステージ3位となった。
「僕もポジション取りで必死だったからね。頭突きはされたね。審判の裁定は尊重するし、それに関して特に何も言うことはないよ。2位でも嬉しかったからね。でも急に勝者と呼ばれて困惑しているよ。」フィリップセンは苦笑いで語った。

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総合リーダーのパトリック・べヴィン(CCCチーム)は残り10kmで激しく落車、再出発に時間を要したが、チームメイトが必至のアシストをし何とかゴール直前でメイン集団に追いつき総合リーダージャージを守り抜いた。しかしながら満身創痍、ステージ終了後に速病院へと直行した。幸い大きなケガはなかったが、総合優勝へ向け大きな痛手をこうむることとなった。
ツアー・ダウン・アンダー第5ステージ
1位.ジャスパー・フィリップセン(UAEチームエミレーツ) 3h37’00”
2位.ピーター・サガン(ボーラ・ハンスグロエ)
3位.ダニー・ファン・ポッペル(ジャンボ・ヴィズマ)
4位.イェンス・デブシェール(カチューシャ・アルペシン)
5位.エリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)
6位.フィル・バウハウス(バーレーン・メリダ)
7位.シース・ボル(チームサンウェブ)
8位.ライアン・ギボンス(ディメンション・データ)
9位.ワウト・ポエルス(チームスカイ)
10位 ダビデ・バレリーニ(アスタナ)
ツアー・ダウン・アンダー総合順位
1位.パトリック・べヴィン(CCCチーム) 17h00’25”
2位.ダリル・イムピー(ミッチェルトン・スコット) +07”
3位.ルイス・レオン・サンチェス(アスタナ) +16”
4位.ライアン・ギボンス(ディメンション・データ) +26”
5位.ヤン・ポランク(UAEチームエミレーツ)
6位.ルーベン・ゲレーロ(カチューシャ・アルペシン)
7位.ジョージ・ベネット(チームジャンボ・ヴィズマ)
8位.クリス・ハミルトン(チームサンウェブ)
9位.ワウト・ポエルス(チームスカイ)
10位.マイケル・ウッズ(EFエデュケーション・ファーストドラパック)
H.Moulinette