UCIシクロクロス第5戦コクサイデ:止まらぬファン・デル・ポエル、完全復調の男が最大ライバルファン・アールト、シリーズリーダーのアールツを全く寄せ付けぬ走り!
あまりの強さに周囲からは「強すぎてライバルたちのやる気がそがれている」とまで言わしめた男の快進撃はまだまだ収まるところを知らない。マシュー・ファン・デル・ポエル(コレンドン・サーカス)は今シーズン序盤出場しなかったレース以外、出場すれば勝利という圧倒的なパフォーマンスを見せており、春先のロードでのクラシックへの出場もささやかれ始めた。
その最大ライバル現世界チャンピオンのワウト・ファン・アールトは所属チームがないまま集中力が維持できない状態が続いている。前所属チームとの契約がこじれ、新チームとの契約を一年前倒しして2019年からロットNLジャンボで走ることを望む男にとっては、まだまだ辛い日々が続いている。それでもこのレースでは最悪のスタートから後半盛り返しての2位、何とか意識を高く保ち結果を残した。
そしてシリーズリーダーのトゥーン・アールツ(テレネット・フィデア・ライオンズ)にとっては正念場を迎えている。アメリカ大陸での開幕2戦連勝、そこから何とか踏ん張り折り返し地点を迎えた今大会でも3位表彰台を確保、まだまだシリーズ総合優勝争いの先頭を引っ張っている。
「今日の勝利も格別だね。ここは大好きなコースだしね。折り返し地点だし、後半戦へ向けたキャンプインする前に全開で行きたかったんだよ。」ファン・デル・ポエルは余裕の表情で語った。一方で最大ライバルにここ数戦力の差を見せつけられている世界チャンピオンは、「まったく集中できていなかったよ。最初のラップだけ最低だったね。あとはファン・デル・ポエルについていけてただけにもったいなかったよ。」と語り悔しさをにじませた。また何とかシリーズリーダーの座を守り抜いたアールツは、「大満足だよ。ファン・アールトとの差もわずかしか縮まらなかったしね。」と笑顔で答えた。
レースはスタート前のプラクティスから始まっていた。圧巻の走りで砂地を駆け抜けるファン・デル・ポエルはライバルたちの焦りを誘い、見事にスタートダッシュでレースの主導権をがっちりとキープしてしまう。完全に出遅れたファン・アールトに対して、ラース・ファン・デル・ハール(テレネット・フィデア・ライオンズ)とアールツがそれを追走する。
しかしファン・アールトはそれに追いつき猛然と前を追っていく。しかし勝負はスタートダッシュで決まっていた。猛追も及ばぬその先をファン・デル・ポエルは一人旅を続け、そのまま余裕の勝利を確定させた。
UCIシクロクロスワールドカップシリーズ・コクサイデ
1位 マシュー・ファン・デル・ポエル(コレンドン・サーカス) 1h04’13”
2位 ワウト・ファン・アールト +25”
3位 トゥーン・アールツ(テレネット・フィデア・ライオンズ) +48”
4位 ラース・ファン・デル・ハール(テレネット・フィデア・ライオンズ) +1’45”
5位 コーン・ファン・ケッセル(テレネット・フィデア・ライオンズ) +2’18”
6位 ローレンス・スウィーク(パウエル・サウゼン・ヴァスゴエサービス) +2’22”
7位 ダーン・ソート(テレネット・フィデア・ライオンズ) +2’26”
8位 ミカエル・ファントゥーレンハウト(マーラックス・ビンゴール) +2’37”
9位 ジョリス・ニューエンハウス(サンウェブ育成チーム) +2’40”
10位 ケヴィン・パウエルス(マーラックス・ビンゴール)
H.Moulinette